こんな夢を見ました。
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こぎれいなアパートの一室に私たちはいる。大きな白いソファーの後ろにはテレビが置いてあり、映画が流れていた。私たちはその後ろのテレビを見るために、背もたれに胸をべったりつけるような姿勢でいた。
映画が終わり、新しい映画が流れ始める。「あ!」と思った。流れ始めた映画は、先日ひとりで鑑賞した「女王陛下のお気に入り」という映画だったのだ。横にいる同じ体勢で映画を見る3人に声をかける。「これ、おすすめ!見てほしかったんだ」
へ~そうなんだ、と3人は私から映画に視線を戻す。私も画面を改めてみると、金髪の女性が何か強い決心をしたような眼差しで遠くを睨みつけながらお風呂に入っていた。湯船の中に赤いものが広がる。うわっ、血だ!と思わず、テレビから目をそむけた。血や傷跡などグロテスクなものは苦手なのだ。
「この映画、今やってる『哀れなるものたち』と監督が一緒なんだよ。私はまだ見ていないけど」
ふと思い出して、3人にそう告げた。この人たちはたしか「哀れなるものたち」を見ていたはずだ。私はグロテスクなシーンがあるという前情報を受けて、鑑賞に二の足を踏んでいる。
「見終わったら感想聞かせてほしいな。暗い映画で気持ちいいものではないけど、どう感じたか、人の感想が知りたい」
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夢の中で見た映画のお風呂シーンは、実際にはありません。他の情報(監督の情報とか、私の鑑賞履歴とか、暗い映画だとか)はすべて正確なのに……。最近この映画を見て、それからじわじわとこの作品について考える日々です。この夢を見る数日前にも、フィルマークスで感想を見ていました。夢の中までも感想を求めていたなんて衝撃です。自分では言語化できないモヤモヤがあって、それを的確に表現できる人を探しているのかな~。
一緒に映画を見ていた3人ですが、ツイッターのフォロワーさんのような気がします。「哀れなるものたち」をすでに鑑賞したフォロワーさんというと、思い当たる方がちょうど3人いるのですが、夢の内容を回想すると顔に靄がかかっており本当にその方たちだったのかは謎です。夢では高校の同級生と話していたと思ったら、現実では関わりないはずの大学の友人が仲間に加わったり、というような不思議なことがありますよね。
一緒に映画を見た3人はどなただったんだろう、そして3人は「女王陛下のお気に入り」を鑑賞してそれぞれどのような感想を持ったのだろう。もし夢の続きが見れたのなら、感想を聞くところまで見たいなあと思いました。