子供のころから本が大好きだ。
面白そうな本を次々と読んでは夢中になり、シリーズものを読破することが最高の贅沢…という数十年を過ごし、それからは自分でも趣味で物語を書き始めるほど小説が好きだった。
一瞬過去形なのは、小説を書き始めてネットに掲載するようなって数年たったころ、スランプに陥って以降、小説という存在自体を苦しく感じるようになってしまったから。
スランプの原因は、読者の方に批評されるほか、交流していた作家の方がどんどん商業デビューをするようになり、「もっとうまくならなきゃ」と思ってしまったこと。
感想やコメントは嬉しかったが、どこか「喜んでもらうものを書かなければ」と思い始めてしまった。(プロでもないのに!)
書きたいけれど、ちゃんと書こうと思うほど書けない。
うまくなろうと思って小説教室にもいっとき通ったので、勢いで書き始めても整合性が気になって筆が止まってしまったりもした。
あんなに好きだった小説が、自分とは仲良くしてくれないものに感じてしまった。
そんなわけで、数年間小説から遠ざかっていたのだが(自分が書いていたものとは関係ないジャンルのBLだけはなぜかすんなり読めた)、最近ようやく小説を純粋に楽しいと思う気持ちが蘇ってきた。
小説を面白いよねと思える自分が戻ってきて嬉しい。