we may do "chmod +rx ." even if we do "chmod -r *"
情報を見られる立場にある人は、「見られない側からはどう見えているのか」を意識しておくと、思わぬ価値が生まれることがあります。
会社の中で情報は基本的にオープンにするというポリシーがあるとします。会議の議事録は公開されていて、社内なら誰でも見れるようになっているような環境です。
そうした環境でも、完全にオープンにできない情報は必ず存在します。例えばセキュリティインシデントや人事評価などセンシティブな話題について話す会議では、その議事録は参加メンバー以外への公開ができません。
そういう状況において、会議に参加していないメンバーに対して、会議の存在を見せておくか、それも隠しておくかというのが選択肢としてあるということを、参加者は意識できていないことがありがちです(自分達は見えているから、見られない人の視点を忘れていることがある)。
存在を見せてはいけないケースというのは存在します。例えば特定のセキュリティインシデントの話をしていて、まだインシデントの発生を公開できない状況だと、その会議の存在を明かすことはできません。
一方で、会議の存在を見せられる場合もあって、その存在を見せておくと、意図せず必要な人が関与できていないことを外から気付いてもらえるきっかけになったり、そもそも社内にそういう機能が存在することを知りエスカレーション先として認識しておくとか、自身のキャリアを考えるヒントにするとかが可能になります。
会議以外で注意しておくべきものとしては、Slackのプライベートチャンネルも、同じ問題を内包しています。メンバー以外のチャンネル一覧には出てこないし、その存在を知ることができません。メッセージ中にチャンネル名を書いた時も、メンバーにはそのチャンネルへのリンクとして見えますが、メンバー以外からはチャンネル名が隠れて "private channel" というプレースホルダが見えるのみで、チャンネル名に込められた情報すら見えないので注意が必要です。
「見られない人からはどう見えているか」を意識しておくだけで、組織の見通しのよさが少し変わるかもしれません。