周囲に何かを説明していて、前にも同じこと説明していたのに今初めて聞いたような感想が出てきたり、前と同じ質問をされたりしたときに、「それ前にも説明したのですが」と前置きしてから続きの説明をしてしまうことがあった。そうやって「それ前にも言いましたよ」を言われた方は、「聞いた覚えはないし」と思ったり「説明を補ってもらいたくて質問したのに」と思うことはあれども、メリットは特にないのだが、ついつい言ってしまっていた。最近になってその前置きを封印することができた。
他の人に何かを伝えるということは本質的に難しい。話し手と受け手の状況や前提知識が異なるので、伝えたいことが伝わらない。自分の伝えたいことは何度でも伝える、説明を工夫して別の切り口で伝える、「伝わる」まではそのためにできることに集中してやっていこう。メリットがないことは付け加えなくていい。
「それ前にも言いましたよ」に関連してメリットを生むこととしては、関連する別のコンテクストを現在のコンテクストに繋げることがあるかもしれない。「こういう場面で同じ話があって、詳細はここ見るとわかりますよ」とか、伝えたいことと関連する情報を追加することはメリットがありそう。「それ前にも言いましたよ」じゃない形で補足していこう。
一方で、「それ前にも言ってた」は、人から言われて気付くものではなくて、情報の受け手が自身で「あ、あれはそういうこと言ってたんだ」とか「なるほど、前は聞き流していたけどそうわけで自分にも関係してくるのか」って風に、理解が進んだ感として気づいてもらえるとよいなと思う。