いつもやり始めるととことん突き詰めたくなり、ついに遠くのほうにたどり着く頃にはすでに自分のなかでも「このくらい当然だよね」ぐらいの気持ちになっていることがある。だから、そんな気配を感じた時に「やめちゃってもいいからね」と自分に言い聞かせている。前回までの「飽きなかったらまた」というのもその一種で、本当に飽きたらやめちゃっていいからねと言い聞かせていたものの、折り返しまできたのだから最後まで書きたいとか、一ヶ月分のデータを置いておきたいとか、せっかくなのでみたいないろんなあれこれがあり、結局プレリスを組んで、キーボードを叩いている。いやでも、サクッといきましょう、サクッと。
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10月20日(月)きらり,花/藤井風
しばしの有休を終え、今日からまた普段通りの仕事。休暇の関係で、9月の終わりから10月の第一週ぐらいまではスケジュールがぎゅっとしていてしんどかった。終わってからもまあしんどいんだろうなと思っていた。けれど、実際はそんなことはなく、ありがたいことにスローなスタートをさせていただいている。たいへんに感謝。あたたかい午後の光が差し込む部屋にはまだ岡山の余韻があって、仕事部屋にもほんのりと楽しさの余韻があった。余韻ついでにきらきらとした部屋で藤井風を聞く。圧倒的瀬戸内感。現地で手にしたいろんな紙類(ちらし、フライヤー、観光パンフレット、ポストカード、チケットの半券)をファイルにまとめる。
夕方、退勤後にいてもたってもいられなくなり図書館へ。「わからない」というものに対して、やっぱりわからないというのがわかると安心する奇妙なシーズン。利用者カードの更新時期だったそうで、自動貸し出し機で弾かれる。よく知っている方へ声をかけて懐かしさと変わらないことを感じる。当時よく展覧会や美術のお話をさせていただいた方と美術館の話をして「やっぱり美術館の話ができてうれしい」と言われて嬉しくなる。私も美術館の話ができて嬉しかった。
10月21日(火)mix juiceのいうとおり/UNISON SQUARE GARDEN,ブラックアウト/ASIAN KUNG-FU GENERATION
まだ余韻がある。けれど、少しずつスケジュールがみちみちになっていくのを感じる。いや〜〜とか、え〜〜とか言いながら、ひとまず手を動かす。新幹線の車窓からの景色を見て「このために働いているのかもしれない」と思ってから、なんだか労働に対しての気持ちが軽くなった気がする。アジカンでも聞きながらほどほどにやりましょうと言い聞かせて、今日からいよいよ新刊の作業を進めていく。メインのビジュアルの着地点を決めてから内容を書き始めるので、表紙的なところを検討する。出来上がった時は完璧だと思っても、少し時間をおいてみると、カラーリングがほんとうにそれすぎて没案へ。けど、奇跡的になにかないかなと思って印刷して壁に貼ってみる。やっぱりそれすぎて没です。
そしてようやくエアロバイクを本格的に漕ぎ始める。健康診断が終わって完全に気が抜けていたので、年末に向けて頑張りたいところ。エアロバイクを漕ぐ時はユニゾンと決めているので、ノリノリになりながら心拍数を上げている。よい。
10月22日(水)餃子,ベーコンエピ/TOMOO
(餃子はぜったいこれからいろんな映像が出ると思うので、ベーコンエピを見てほしい)
いつも新しい曲を聴いた時に「ほお」と聴いていると、だんだん「好きだ」になっていく。今回の「餃子」もまさしくそれで「いや、餃子…」と思いつつも聴いていくと「餃子のプリーツ 見つめてクエスチョン」の「クエスチョン」が好きだなあと思ってやめられない。お腹がいっぱいだなと思っても、ついついお箸が伸びてしまう、そんな歌だ。そういえば、前のアルバムの時も同じように思った曲があったなと思ってまたTWO MOONを再生する。「ベーコンエピ」だった。あたたかい。とても寒い一日で、ストーブを試運転と称して一日中つけていたけれど、あたたかい気持ちになる。秋とまだ一緒にいたい気持ちがありながらも、私たちのつま先は静かに冬に向かっている。
10月23日(木)Upon You/Bialystocks,killer tune kills me/KIRINJI
まだ引きずっているんですかと言われれば、本当にそうなんだけど、夕方から本格的に仕事が始まる日の確定残業のおともにビアリとKIRINJIがちょうどだったという偶然です。でも聞くたびに「ほんとうにライブ行ったんだよ…」という気持ちになっている。楽しかった。音楽を聴くだけなら音源でもできるけれど、音の海でまぶしく反射する光を感じながら漂えるのはライブのあの空間でしかできないことなんだなと、折に触れてよかったなあと思っている。killer tune kills meの韓国語のところを堀込さんが歌い始めたときはわたしはおどろきました…ほんとうに…すごかった。
そういえば、そろそろBialystocksを聴き始めて3年ぐらいになるんだと時の流れに驚く。思えば10月も下旬、ほんとうに年々加速度を持って、光のようにすぎていく毎日に驚きながら過ごしている。けれど、その日々の中でいろんなことが変わって、自分の手でも変えている。めまぐるしく変わっていく世界の一部で自分も変わり続けているのだろう。初めてBialystocksを聞いた時も夕方だったな、こんなふうに確定残業のときに流れてたなあなんて思う。それは今も変わっていなくて、少し安心した。
10月24日(金)アンダースタンド,君の街まで/ASIAN KUNG-FU GENERATION,怪獣/サカナクション
真剣に仕事をした日。すごかった。久しぶりにタイマーを25分にセットして、ポモドーロテクニックの中に身を投じる。背中側にはもう一つクッションを置いて、姿勢も改善してみる。こういうときは断続的に音楽が流れていてほしいので、Daily Mixかテーマ別のプレイリストを流してもらう。けど、だいたいアジカンを流しておけばなんとかなる傾向にあるので、アジカンが入っているのを聞いていた。アジカン、なんかわかんないけどやっぱりいいんですよ。あと、こういうときはだいたいサカナクションもセットなので、少し大きめの音量で聴く。休憩タイムに一旦外に出るのだけれど、部屋に戻ってベース音の気配を感じると、音の大きさで切羽詰まり具合を察する。でもなんとか終わらせて、なんとか週末にログインできた。結構良いのでは?継続して定点観測の必要がありそう。
こたつを作るために夜になってようやく部屋の片付けを始める。夏の間に増えた本たちを右から左へ。右の山を片付けて、また左を見ても本、そのさらに外側のところを見ても本で、自分で集めたものたちなのに「なぜ」の気持ちになる。本の山の中から『JK漱石』の3巻が出てきたので休憩ついでに読む。ちょうど正岡子規が松島に行っていたことを知り「今年の年末、どうだろうか」と思う。
10月25日(土)たつこたつ/柴田聡子,鳥獣戯画ジム,縄文土器先生/井上涼
ついに部屋にこたつを出した。あたたかい。あたたかい、最高。ありがとう。あたたかい is しあわせ。こたつといえば、夜な夜な聞いていた「たつこたつ」だなあと思う。「あれ、いつのまに? たつ、うかつ」が好き。あと「たつまなつ」の「たつ、瞬殺」も好き(囲碁勝負すぐ負けちゃうのかわいい)
こたつができてしまえば、もう寒さのあまり食べる、働く、寝る以外のことができない生活とはさよならなので、寝る前にお茶を飲みながら何かを書いたり、読んだり、手帳をしたりする時間が取れるようになる。ありがたい…!
それで、もう少し生活を整えるべくクッションとタイマーを買い足すことに。いろいろ迷って、せっかくなのでと良品週間に突入した無印へ行く。ワンピースが欲しいなあと思っていたのだけれど、手にしていたのはパンダのクッション。クッション売り場で見つけて、気がつけば手にピッタリと収まっていた。これを椅子と背中の間に挟んで仕事をしたら可愛いものを潰している罪悪感的なものでもっと効率的にできるかなと思って。さて、どうだろうか…。あとは単純にグレーで感情が見えなくて好き。
その足で、ふら〜っと手帳を買いに行く。いよいよ来年のイベントの話が本格的になってきて、手元に置いておきたいなと思って。迷っていたけれど、能率手帳のライツ4、小型版に決めた。黒い表紙に金色で「’26」の文字。シンプルながらも、ここまでビジネスライクな手帳を使うのは初めてのことなので緊張する。少しの緊張感とあこがれがあってほしいので、2026年の手帳布陣はこれでいいのかとも思う。そのあとは、いつものミスドでご飯を兼ねた作戦会議。この冬にやりたいことをいろいろと考える会。好きな科学者のエッセイを開拓する、松島に行く、ソール・ライターの写真集を買う、新書を読んでみる、証明写真を撮る、文化施設への寄付、スノードームを飾ってみる。やりたいことって、あるはずなのに毎日の暮らしではどこかに身を潜めている。定期的にそれらに光を当てて実践していく、そんな立ち止まる時間が必要なのかもしれない。文化施設への寄付、最初はトーハクかなと決めているのだけれど、まだ少し迷っている。西洋美術館でもいいし、うーん…となっているときに「好きな土器があるところでいいんじゃないかな」とひらめく。わたしが好きな土器、つまり火焔型土器は東京国立博物館にあるのでやっぱりトーハクへの寄付がいいんじゃないかなと思う、ほぼ確。
10月26日(日)罠/THE BACK HORN,Cry/DOYOUNG
ネイルを塗り直すついでに、いつも以上に丁寧めに爪を整える。今週はジェルネイルでマグネットをビー玉みたいにしようと思って始めたものの、思った以上に時間がかかるので、なにか適当に見ることに。インセプションもいいなあとか、映画がいいんじゃないかなといろいろ見ていたけれど、結局ガンダム00を見る。去年の秋ごろに見始めて「このあと絶対辛いでしょ…」と1年間止めていたもの。つらくなる寸前で止めていたらしい。やっぱりつらい。つらいよ…。2007年の放送時は姉が見ていて、私はそれを横からときどき見る(なのでうっすらとした知識はある)状態だったのだけれど、改めてちゃんと見てみると記憶の中にあるものとはまったく違っていて興味深い。つらいね、本当に…。つらいよ。つらい…。
オープニングやエンディングの面々がめちゃくちゃ豪華で、1クール目のエンディングのかっこよさにいいなあと思って見ているとほんとうに…。2期の1話を少しだけ見たのだけれど、ここにUVERが控えていると思うと、はあ、すごいや。
夜は夜で謎に気持ちが落ちてしまったので新しいことをしたく、「白茶」というものを飲んでみる。けれど、これは朝向けのお茶だったらしくなかなか眠れず、2日間だけ一緒に寝ることにしたパンダのクッションを抱きしめて寝る。眠れない夜に、暗くした空間に響くドヨンさんの声はとても良くて(このあと起きられないのもセットなんですけど)。季節の変わり目に効きます。ありがとうドヨンさん。
という感じで、10月あと1週分だけ続きます。ここまで来たら完走したいところ…!