(2月27日の23時ごろに書き始めたライブレポ的なもの)
TOMOO HALL TOUR 2025-2026 “DEAR MYSTERIES” 11月の終わりに始まったこのツアーも早いもので東京公演を迎えてしまった。今日の東京公演DAY1、そして明日2月28日の東京DAY2が終わってしまえば、この親愛なる謎たちとともに歩んできたツアーも閉幕となる。
12月14日に行われた仙台公演ぶり。なので、およそ2か月ぶりにTOMOOさんに会うとなると、少し緊張した。同時に「音の中で会うのに、気がかりなことを部屋に残していくんですか」という自分からの声から謎の集中力を発揮し、ある程度仕事を終わらせて休暇に入った。久しぶりのTOMOOさん、仙台のときと変わらず、音の中を自由に泳いでいるなあと思った。泳いでいるというよりは、暗い海や森に差し込む一筋の強い光のような人だなと思った。
明日の公演もあるので、セトリやいろんなネタバレはできないなあと思いつつ「なんでこの人が好きなんだろう」と思ったので、ネタバレしない程度にレポをまとめながら、私にとっての謎として好きの正体を考えていこうと思う。
今日の会場は、東京国際フォーラム・ホールA。東京駅の地下、丸の内側をしばらく歩いて行く。どんな造りになっているのかは分からないけれど、有楽町のほうへずんずん進み、京葉線の改札を曲がると「東京国際フォーラム」と書かれた柱がある。そこを目的地である「東京国際フォーラム」や「HALL A」の文字を追ってずんずんと進んでいくと、気がつけば着いている。去年の10月に訳あって東京駅の地下を有楽町を経由して銀座まで歩いたことがあるのだけれど、そのときには前を通りかかってTHE ALFEEのライブがあることを確認するに留まった。だから、中に入るのは今日が初めて。どこまでも不思議な構造だなと思った。
席は一階の真ん中より少し前方のあたり、調べてみると音響のバランスがちょうどいい位置だったそうでうれしかった。私が好きな音を、音響的に最適な位置で聞けるのはうれしい。
実際に座ってみると、仙台公演のときには見えなかったバンドメンバーたちや光の感じが見えて「あれこうなってたんだ!」という発見があって楽しかった。チェロの林田さん、仙台公演の時は私が前の席すぎて視界的な事情であまり見えていなかったのだけれど、今日改めて姿を見て「わあ」と思った。「チェロすごかったな」というのが仙台公演の感想としてあったので(明日の公演が終わったら書かせて欲しいんだけど、すごいんだよ、映像出たら見て)、今回は音響ベストな位置でそれを聞けたのが本当によかった。林田さん、今日の昼ぐらいまでは「JP」と呼んでいたのだけれど、改めて「林田さん」と呼ぶのがベストっぽいなと思っている。本当にすごい。とりつかれたみたいに弾くのに、しゃべるのぽやぽやなの面白すぎる。この点で林田さんは謎が深まるばかりである。FCの突撃インタビューでちらっと聞いたとおり裸足でエフェクターを操っている。すごい…!
そして、いつも目に入ってくるドラムの伊吹さん、パーカッションのたいきめんさん。すごいよ。パーカッションのたいきめんさんは初めてライブに行った武道館のときから「この人が曲の雰囲気を作っている」と思っていて、ふとした拍子に見てしまうのだけれど、今回も変わらずそうだった。扱っている楽器の種類が驚くほどに多い。ウインドチャイムを鳴らしたと思ったら、しゃりしゃり音のする横型のマラカスみたいなもので空気の色を作っている。シンバルにボンゴに、目が離せない。
聞こえてくる楽器のバランスがちょうどよく、これまでは聞こえなかった細かい部分も聞こえるような位置だったからこそ、いろんな発見があって面白かった。TOMOOさん自身はもちろん、バンドメンバーも個性があってみんながそれぞれに技術力が高い。音の海の中でそんなことを思った。ほぼ同じセトリの公演に複数回入るのが初めてなので、角度を変えていろんな音を聞きながら改めて幸せだ。
仙台公演は3列目とかで、近さを楽しんでいて、今日は音、そして明日の公演は全体的な照明や舞台演出を楽しむ日としている。何回も楽しめるのは、ツアー公演ならでは。「この曲、この編成めっちゃいい」とか「あの部分、実はこうなってたんだ」という発見が毎公演ある。たのしい。
今日の公演は、深海からきらきらとした音の光を見ているみたいだった。光の一番強い部分、芯の部分がメロディでその周りにある光の線やこぽこぽと深海から水面へと浮かんでいくうたかたが対旋律やリズム、ベースライン。深い海の、暗い世界にも温かい光が届いて、少しだけまだ大丈夫なんだなと思ったり、ちょっとだけ「こういうことしてみてもおもしろそう」と思ったり。まだ寒い日は続くけれど、光や風の鋭さがいくぶんかまろやかになっていく春のようなひとときだった。秋に幕を開けたツアーも、冷たく暗い冬を越えて、春の息吹を感じさせる時期に終わるのは、きっとそんな意味もあったんじゃないかなと思う。(そういえば東京めちゃくちゃ春ですね!?もうニットの季節ではなく、上野駅で降りてめちゃくちゃ驚きました 私の住んでいるところでいう晩春の陽気です。冬のコート着てこなくてよかった~!)
ところで、ライブで好きな曲(全部好きというのを前提にして、そこからまた特に大好きな曲という意味)を聞くたびに「やっぱり好きなんだよな」と思う。これは一体どうしてなんだろう。「どのあたりが好きなの?」と問われたら、たぶん「ん~」と言ってあいまいにしてしまいそうだ。実際にこれまでも「好きなんですよね」と言い続けているものの、具体的にどんなところが好きなのかは、たぶんあんまり書いてなかったと思う。よいきっかけなので今日書きましょう。
いや~~でもぜんぶすきなんですよ……ピアノを弾いているときの横顔とか、強く叩いたときに跳ねるボブカットの毛先とか、笑ったときの頬のあたりとか。世界を切り取る歌詞とか。視点とか、それを表現にするにあたって俯瞰するように形にしていくところとか。あと最近だとFCのラジオもめちゃくちゃかわいかったです。かわいすぎて涙が出た。好きな人を前にするとものすごく気持ち悪くなってしまうな。2023年の春頃に曲を聴いているうちに、気がつけばすっかり好きになってしまっていたのでこればかりはどうにも。少し気持ち悪いのを抑えるぐらいしかできずにすみません。けど、世界の見方、視点の部分とそれを表現した形つまりは歌が一番好きです。
もしも私の身に何かあったら、お葬式では「夢はさめても」を流してくれませんか。音源はTWO MOONのCDがあるので…。
私は人からもらった本名で生きているときよりも別の、自分が自分自身に名付けた名前で生きているときのほうが自分らしくていいなというか、より純度の高い自分だなと思っている。なので、ではないかもしれないけれど「泥がつかないように上辺をなで合う日々が 過ぎ去ったあとで ふたりもう一度」というあたりは共感というか。最初に聞いたときにちょうどいろんなことがあった後だったこともあり、上辺をなであうよりも深くわかり合えたらもっとよかったのかもしれないとも思ったし、逆に深くわかり合えないから結果としてこうなってしまったのだとも思った。自分の中にない、あるけど奥のほうに押し込んでしまった視点だったのでより自分の中に存在している「気になる宇宙」の暗がりに強い光として現れたのかもしれないなと思う。だから「これは好きだなあ」と思ったのかもしれない。
今回のツアー、核となっているアルバム「DEAR MYSTERIES」が自分自身に響いたものや誰かとつながりあうことを歌った曲が多い印象を受けた。けどそのつながったことによって自分自身にいい影響もあれば、ネガティブに響くものがあり、そのグラデーションを音を通じて見れるんじゃないかなと思っている。アルバムで言えば、エンドレス、Lip Noiseあたりが喪失っぽいなと思っていて、逆にPresentとかLUCKYとかハックルベリー・フレンドとか、だれかと一緒だから見えた景色もあって。自分の手を暗闇に伸ばして、その向こう側で手を取ってくれることもあれば、むげに払われてしまうこともある。そうして、見えたもの、感じたものが形として歌になっているんじゃないかなと思う。人とつながりたいきもちと傷を負いたくないきもち、でも一線を越えなければ見えてこない景色が、それぞれのカラーとしてそこにある。わかるとわからないの間にあるいろんな色がそれぞれの景色として見えるのが好きだと思った。個人の感想なので、あくまで私の感じたところであり、TOMOOさんや制作陣がそうではないというのであれば、それはそうではないと思います。
でも今日のMCで「親愛なる謎と言っていますけど、謎のまま、わからないままでいいとも思うんですよね」みたいなことを言っていた記憶があるので、あいまいさも、わからなさもそのまま、いつか形になる日まで、謎が謎でなくなる日まで名前を書いて大切に引き出しにしまっておきましょうね。
ライブが終わって、宿までの道すがら東京ドームのふもとをぼやぼや歩いている時に偶然「雨粒をつけたまま」を聞いて、やっぱり好きなんだなあと思った。また明日の公演も楽しみ。
2日連続で音の海を漂うのが初めてなので、少しの戸惑いといつもどおりの緊張を抱えてまた東京駅から有楽町の方面へずんずん進むつもり。
(きょうの日記的なこぼればなし)
最近ずっと『プロジェクト・ヘイル・メアリー』を読んでいて、新幹線でも下巻を読みながら来たのだけれど上野で降りて「いやこれはさすがに読み切るまで展示室に入りたくないですね」という気持ちになり、ロビーで夢中になって読み切りました。すごかったね…すごかった。
すこしすっきりした気持ちで踏み入れたスウェーデン絵画展、これもこれでとてもよく。それほど混雑もしていないので見やすいし、ドイツやフランスからそれぞれ影響を受けた作品が、スウェーデンらしさを追求しながら確立されたスタイルとして定着していく様子が、見ていてとても好きだった。日常に目を向ける、何気ない日常を切り取って作品にしていくことに興味があるのでこれはあとでじっくり図録を読みます。楽しみ~!
で、いや、その足でごはんを食べたらよかったのだけれど「刃こぼれした雲生の太刀が見たい」とかいうほんとうに意味不明な理由でトーハクに足を踏み入れ、そのまままっすぐ本館に行けばいいのに「東洋館行ってみませんか」と入ったところめちゃくちゃ面白く、時間が足りなかった。
日本橋のmtのイベントのため誠品生活にも行き、という感じでいろいろして、東京駅に着くのが18時すぎ。つまりは開場後になってしまったのでお昼ごはんを食べる時間が消え、23時頃にアイスパーティーをしました。盛り上がりすぎている。
お腹を壊してしまうという理由から個人ルールとして「アイスは1日1個まで」と決めているのだけれど、2個いっぺんに食べるとお腹よりも頭のほうに来ることが分かった。私史上最大級の大発見。いままでかたくなに1個を守ってきたので…!(組み合わせにもよるのかもしれないけれども!)
いつもと違うこともしながら、明日の公演までもう少しこの非日常を楽しみます。「旅先で本を買う」の実績を解除した『未来世界から来た男』を読みながら寝ます。かなり夜ふかし、日常のような非日常だね。