レビュー文化を軽視してはいけない

yonemon
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レビューを行うことは組織でビジネス活動を行う上で非常に重要ではあるが、軽視されやすくもある。

私が普段本業で活動するITやエンジニアリングの領域でも同様で、ものづくり(クリエイティブ)に関わる内容ではレビューはとても重要な意味を持つことが多い。なぜならハードスキルをコアバリューにする職業では仕事そのものが属人化しやすく、複雑性の高い業務に向き合うケースが多いためです。

にも関わらず、レビュー文化が形成されにくい傾向を色々な場面でみたことがある。

それはなぜなのか?みんな大事だと思っているのになぜやらないのか?

それには大きく2つの要因が存在する。

レビュー文化が軽視される要素

以下要素どちらか一方でも考慮が欠けて、マイナス面が強くなってしまうと文化が形成されなくなる。

  1. 時間的要因(時間がかかるなど、工数面のコスト)

  2. 心理的要因

1. 時間的要因(時間がかかるなど、工数面のコスト)

この時間的要因は納品期日が決まっているプロジェクトなどで見受けられやすい傾向にある。

特にアサインされるメンバー少ない小規模なプロジェクトや予算的にレビューの実施が可能な複数メンバーのアサインが困難なケースではあるあるではないだろうか。

もちろん予算が付かなければ稼働できる人員は当然限られるわけで、例え開発を担うポジションであってもアサインが一人だけで実装の推進をしないといけないこともある。

対策としては以下が考えられる。

  • 一時的に外部から人を呼ぶ(アウトソース)

  • プロジェクトの重要度、優先順位から予算交渉をする

  • プロジェクト横断型のレビュー機会を作る

まず対策の一つとして外部から人を呼ぶということが解決策になるかもしれません。経営的な視点で見れば正規メンバーとして雇用する体力が組織になかったとしても、一時的なアウトソースであれば柔軟に対応できるケースもあるはずです。

テクニカルな分野ではそもそも人材不足でなかなか適切な人材見つけることが難しいかもしれませんが、副業を容認されやすい風土がある業界でもあるのでそれをチャンスと捉えてパートナー探しをする必要があります。

次にプロジェクトの重要度、優先順位から予算交渉をすることもプロジェクトによっては可能かもしれません。レビュー工数自体が上流現場で軽視されてしまっているのであれば、認識改善の働きかけが必要です。

実際にステークホルダーとコミュニケーションを行うプロダクトオーナーや最終的な意思決定を行うステークホルダーに「なぜそれだけの工数をかける必要があるのか」を提案できるだけの価値があれば改善される可能性が高まります。

一方で労働集約型でかつ、競合優位性が低い内容のタスクでは工数単価が低く設定されがちなためそのようなケースではワークしづらいでしょう。

最後の「プロジェクト横断型のレビュー機会を作る」は暫定処置としては有効でプロジェクトとしては少数精鋭でも組織としてはそれなりの規模がある場合は優先順位上、そこにリソースが割けないだけで組織として保持するリソースをうまく活用することで対策を立てることができます。

例えば、簡易的なレビューが実施しやすい朝会や定例会で時間を設けることである程度のレビューを得られることができます。

ここで最も忘れてはいけないのは、「暫定的な対応」などで済ませたものは長期的に見れば負債になりやすいということです。

アウトソースや定例会での対応は簡易的な対応にあたります。この状況を長期的に受け入れると以下のように組織内で本来理想とするレビュー文化の本質が軽視されやすくなります。

  • 確保できる時間が少ないから今のままでも仕方ない

  • 一応形だけでもレビューやってるし、結局自分だけでやった方が早い

重要なのは一時的にリスクを許容しているだけだという意識です。いつかはこの負債を返済しなくてはいけない、そのため長期的な視点でどう考えていくのが良いのかを組織全体で把握しておく必要があります。特に経営メンバーにその意識が現場から伝わっていないのであれば、積極的な働きかけが必要です。

@yonen
しずかにひっそり暮らすEC系Webエンジニアです。