家ごと吹き飛ばされるんじゃないかってくらいの爆風が外では吹き荒れてゴウゴウ唸り、小さな部屋がゆれてた。でも光はこんなに春。心細いような、のんきなような。どこかの惑星にぽつんと不時着した宇宙船にいるみたいだった。
という日記を書いたのは2月のある日。今日も風が強く吹いている。駅やスーパーへ向かう大きな一本道は四方からまとまり固まり撚りあげるように吹き抜けていく風の通り道になっていて、追い風に何度も走らされた。
今日この部屋は遊牧民のゲルみたいに感じられる。一歩外に出れば砂嵐。風の音を聞きながらミルクを飲むよ。