
微睡みの街/アルジャーノン・ブラックウッド
フランスの片田舎へ旅行に来たイギリス人の話。不思議な魅力――魔力に取り憑かれ、早くこの街から立ち去りと思ってもなぜか留まってしまう。美しい令嬢との出会いがますます彼を足止めにしてしまうが、ついには街の人々や彼女の正体を知ってしまう。
魔女、魔女狩り、サバト、黒ミサと散りばめられた暗黒ワードと設定は大変好みでした。そしてブラックウッドはやはり「目に見えない何か」を描くのがとても上手い。予感、予兆、雰囲気はホラーや怪奇譚には欠かせない要素。ひたひたと迫る不穏な空気は絶品。楽しく読みました。