
輝く金字塔/アーサー・マッケン/国書刊行会
表題作他「黒い石印のはなし」「白い粉薬のはなし」を収録。どの話も「人ならざる者」「異界を覗き見る」という内容で幽霊譚とは別の怖さや不気味さがある。
出てくる小道具が古代魔術やケルト神話のような趣きがあり、それはマッケンがウェールズ人であるのと関係しているのだろう。
お気に入りは「白い粉薬のはなし」。ある薬を飲むことで人ならざる者になってしまった青年の話で、彼が飲んでいた薬は実は……という真相が面白い。
全編にわたって所々に科学的な知見が織り込まれているのも時代の雰囲気が伝わってきて楽しい。