6月の本

夜雨
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公開:2025/9/20

6月の本/国書刊行会

タイトル通り、6月を舞台に書かれた古今東西の短編小説や詩を集めたアンソロジー。26編収録。

6月特有の蒸し暑さやしとしとと降りしきる雨情、瑞々しく輝かんばかりの景色の中に描き出され紡がれる物語はどれも絶品。

パニック障害を患っているらしい男を描いた谷崎潤一郎の「恐怖」、詩情たっぷりに描写されるヴワディスワフ・レイモントの「ポーランドの春」、ホラーテイストの遠藤周作の「恐怖の窓」、ヒトコワ系の山川方夫の「歪んだ窓」、意地悪しあっていた老婆達が和解するシャルル=ルイ・フィリップの「お隣同士」など魅力的な作品ばかり。

12ヶ月全部集めたくなる本。

@yosame0619
一次創作/二次創作/字書き/30↑/三度の飯より本が好き