
白壁の緑の扉/H・G・ウェルズ/国書刊行会
表題作他「プラットナー先生綺譚」「亡きエルヴシャム氏の物語」「水晶の卵」「魔法屋」収録。
ウェルズはSF作家として有名だが、ここに収められた作品はどれも幻想文学的な趣きがあり、とても楽しめた。
表題作の「白壁の緑の扉」は緑の扉の向こうにあった美しい庭で幼い頃遊んだ記憶が忘れない男の物語で、人生の重大な場面で何度かその扉を見つけるが、最後に見つけて開いてみたら……という内容で、とても面白かった。また爆発によって異世界に飛ばされて戻ってきた男の話「プラットナー先生綺譚」も良かった。