
青い蛇 十六の不気味な物語/トーマス・オーウェン/創元推理文庫
「黒い玉」と对をなす1冊。どの物語も妖しさ満点。たった一文で異世界に突き落とされ、置き去りにされるような怖さがある。著者は女性にトラウマでもあるのかと思うくらい、女性にまつわる話も多い。
中でも「雌豚」はとても悪趣味な怖さがある作品で最高。「モーテルの一行」「アマンダ、いったいなぜ?」は幽霊譚に属するものだが、これを実際に経験したらかなり怖いのでは。
ラストを飾る「危機」はヴァンパイアもので、主人公が無邪気で美しい少女に魅入られていく様をはらはらしながら読んだ。
一編が短いので隙間読書にも最適。どれも楽しく読んだ。