親知らずの抜歯をした。
歯科助手の経験がある。10年以上前の話で、しかもあまりにも最悪な職場だったので一瞬しか在籍していない。かつての勤め先について(あまり悪し様に言わないように)ざっくり言うと、駅ナカにあるのに歯科医師と歯科衛生士と歯科助手のわたし3人で回していた。明らかにめちゃくちゃだ。
めちゃくちゃな歯医者ではあったが、それなりに患者はいた。もちろん親知らずの抜歯なんか何度も見たことがある。見たことのあるものの大体が下の親知らずで、そして抜くのが──というか、『取り出す』のが──本当に厄介なものばかりだった。
だからと言ってしまうと乱暴だし、わたしの対人関係の希薄さがバレてしまうが、わたしにとっての親知らずというのはそういうヤバいものになっていた。
そして今日である。

……え!?
え!?
ものすごい速さだった。
なんだかガコガコやっているな〜と思っていたのが抜歯だった。
この歯医者さんがすごかったのか、わたしの親知らずが(わたしに似て)素直なやつだったのかはわからない。とにかくびっくりした。
朝9時半に抜いて10時間ほどが経ったが、さほど痛くはない。これはそういうものなのか、わたしが隙を生じぬボルタレン連続服用の使い手だからかはわからない。痛かったらまた明日の日記で文句を言います。
とりあえず卵豆腐やヨーグルトを食べてはうがい(ドライソケットが怖いので、水を含んで上半身を大きく揺らして吐き出すにとどめている)をし、食後にはイソジンでうがいをしている。
昨日あれだけ肉を食いまくった顎が「どうした?」と語りかけてくる。お前のメンバー脱退のせいだよ。