エラ・フィッツジェラルドが好きだ。
彼女がスキャットシンギングのインプロヴィゼーションで何周も歌いつづけるコンサートの実況録音を、思い出すだけで胸が熱くなる。
エラ・イン・ベルリンという有名なライヴアルバムがあり、そこに収録されているハウ・ハイ・ザ・ムーンは特に有名だろう。
そのアルバムで象徴的なトラックはマック・ザ・ナイフなのかもしれないが、私の中ではエラ・イン・ベルリンといえばハウ・ハイ・ザ・ムーンなのだ。
サラ・ヴォーンがライヴでその曲を取り上げ、
エラ・フィッツジェラルドはこの曲をほんとにクレイジーに歌いました
と歌いつつ、エラのスキャットの歌い出しを引用もしていた。
しかしエラ・イン・ハリウッドに収録されているA列車で行こうもすばらしい。
私はこの人たちが今何の曲をスウィングしてるのかなって思ってると思う。私たちはまだA列車をスウィングしてるよ!だから早く早く乗りこんだほうがいいよ!
と、長いスキャットシンギングの合間に歌ってお客が盛り上がるところが好きなのだ。
エラのイン・ハリウッドには長々スキャットとして他に、エアメイル・スペシャルも収録されている。
こちらの方がテンポが速い。
しかし私はA列車で行こうのほうが好きだ。
のんびりしていて楽しい感じがするからだ。
エラ・イン・ハリウッドは何度聴いたかわからない。