おとつい、電子書籍読み放題サービス(Kindle Unlimited)で、文芸書を削除して大量に借りた本の中から、
『50歳からでもフルマラソンが走れるトレーニング—人生百年時代の体づくり:乳がんサバイバーのランニング語り』
を、きょう読んだ。
私のためにある本みたい、とちょっと思ったけれど、人生もがんも人それぞれで、私のがんは乳がんではなかった。
この本の著者、大野清美さんは抗がん剤治療中に東京マラソンを完走している。
それにひきかえ私は……とつい思ってしまった。
私は術後4年間くらいずっと「私は病み上がりだからおとなしくしていなくては」と思ってなまけていた。
いくらなんでも長い。
リンパ郭清術を受けたので、重いものを無理して持つとリンパ浮腫になりますよといわれていた。
リンパ浮腫マッサージの本をナースステーションが貸してくれて、リンパ浮腫でひどく脚が太くなってしまった写真を見たり、リンパドレナージの手順を自分で実際にやってみてその大変さを感じたりしてすっかりびびってしまった。
運送業に従事している人がリンパ浮腫になりやすいとリンパ浮腫外来で聞いた。
ウェイトトレーニングで自分より重いバーベルとか持てないだろう。
あるとき、別の相談事があって手術した病院に電話したら、看護師さんに、
前と同じ体だと思わないで
といわれてたいそうしょんぼりしたこともあった。
かかった病院の医療従事者とコミュニケーションがうまくとれていなかった。
私がもっと積極的になって働きかければよかった。
でも、私はがんになった自分が他人みたいに思えて、ただぼんやりしていた。
話がそれてしまった。
世の中にはあのつらい抗がん剤治療を受けながらこつこつと練習し、距離を重ね、フルマラソンに挑戦して完走する人もいるのだ。
この本は練習の仕方、マインドセット、いろんな大会の情報、楽しいアプリ、ランニング用スマートウォッチ、など、ためになる情報がぎっしりつまっていて勉強になった。
この本はAmazonの自己出版の書籍だが、今まで読んだAmazonの、いろんな人が自分で出版するものの中で一番まともでためになった。
大きな出版社から出ていても全然おかしくない。
乳がんは運動によって再発の確率が下がるのだそうだ。
私はその前にひざの不調をなんとかしなければならない。
きょうは歯科医院へ行く用事があり、歩いたのだが痛いのでまた暗い気持ちになった。
しかし、一縷の望みとして、いや、一つの可能性として、シューズを新調したらいいのではないかという気がずっとしている。
現在使っているシューズは去年のいまごろに買って、毎日どこへ行くのにもはいているものだ。
トレイルラン用のものだが、いいかげんへたっているだろう。
それで走ったのもよくなかったのかもしれない。
まず整形外科へ行きX線撮影してもらう。
どのくらい休ませたらいいのか教えてもらう。
リハビリが必要なら通う。
次に専門店へ行き、初心者ジョガー向けのシューズを見立ててもらい、走るときはそれをはく。
変形性膝関節症なら劇的にはよくならないかもしれない。
でも、診察を受ける前にくよくよしても無意味だ。
近所のランナーコミュニティがあったら参加してみたいが、歩く人より走るのが遅い私が入れてもらえる気がしない。
きょう、スポーツ用品メイカー、アシックスのランニングサイトにユーザ登録をして、参加の理由のアンケートの選択肢に、「ウォーキングからジョギングへのステップアップ」というものがあり、そう、まさにこれ、と感じた。
ウォーキングとジョギングの間にすごい壁を感じてしまっている。
シューズを買いに行くお店に、走る人の会のちらしとか置いていないだろうか。
コンピュータがあるのだからインターネットで調べるべきだ。
同じ境遇の人と知り合いたい。
同じ境遇の人というのは、単にちょっと歩くだけでぜいぜいしてしまう人だ。
もっと本を読もう。
きょう読んだ本には参考文献もたくさん挙げてあった。