スタジオを1時間借りてグランドピアノを弾いた。
グランドピアノを鳴らすのは20年ぶりのことだった。
最初は半音ずつ上下どちらかに進んでゆく発声練習をする。
両手ユニゾンで弾くのだが左手の指に力がなくて黒鍵から滑りおちた。
昔と違うのは低音域で声が割れることだ。
どうやっても割れるからこれは経年変化とブランクのためとあきらめてそのまま使うしかない。
急遽押さえたスタジオなので譜面も五線紙もなにもなく、iPhoneで昔弾いていた曲のコードを調べて弾いた。
転回のかたちをメモできたら便利なのにと思った。
暗譜しているのはやはり小学生のころ好きで弾いていた曲だった。
帰宅して興奮して眠れず、またスタジオに電話して翌日のナイトパックを申し込んだ。
23時30分から5時半までのプランだ。
楽譜売り場のある楽器店へ行く時間がないので、ピアノ用大譜表の白紙のPDFをネットプリントに登録し、コンビニエンスストアで出力できる譜面の品番をメモした。
コンビニ出力で買う譜面は"Let it Go"と"The Rose"と、あと矢野顕子の「ひとつだけ」にした。
ひとつだけは難曲だが気晴らしになるだろう。
そこまで作業して満足したのでよく眠れた。
長年譜面を見て弾くくせがついていて、いきなりオーギュメンテッドとかディミニッシュとかいわれてもぱっと押さえられない。
かんたんなコードとスケールの早見表を作るべきだ。