きのう、家計簿を締めていたところに夫が通りかかったので、
どんな音楽を聴いたらいいかわからない
と私はこぼした。
世の中には音楽がたくさんあるからだ。
すると夫は、
それは、よしゅくの好きなスティーヴィー・ワンダーやエリス・レジーナやアントニオ・カルロス・ジョビンを聴くのじゃ
と言った。
夫は家の中でだけ日本むかしばなしの語り部のような口調になる。
わたしは「そうか」と思った。
そして、スティーヴィー・ワンダーのSongs In The Key Of Lifeを全曲通して聴いたらとても気分がよくなった。
私は非常に忘れっぽいので、ちょいちょい自分が好きな音楽がなんだったのかを忘れてしまう。
それから、エリス・レジーナの全アルバムをひとつに集めたプレイリストをランダム再生した。
今夜は”トム”ジョビンのピアノ弾き語りライヴアルバムを聴くかもしれない。
夫はエリス・アンド・トムの1曲目をとても気に入っているようだ。
エリス・レジーナとアントニオ・カルロス・ジョビンが交互にかけあいのように歌う三月の水という曲だ。
ジョビンのヴォーカルはあたたかくて味がある。
曲名を忘れたが、エリス・アンド・トムの中の曲で、エリス・レジーナが一人で歌っていて、情感をこめて歌い、曲が終わった直後に深い吐息をつき、そこまでしっかり入っているところが好きだ。