私は、数年前に『身体はトラウマを記録する 脳・心・体のつながりと回復のための手法』(ベッセル・ヴァン・デア・コーク著、柴田裕之訳、紀伊國屋書店)という本を読んで自分にはトラウマがあると思いこんだ。
その本で紹介されていたEMDRを受けたいと思った。
EMDRは眼球運動による脱感作と再処理法のことだ。
難しいのでそれ以上の説明が私にはできない。
日本EMDR学会というところのWebサイトを見て、通いやすいところでEMDRをやっている先生を探した。
その先生が今カウンセリングをしてくれている先生だ。
精神科の主治医にお願いして紹介状を書いてもらった。
結論からいうと、カウンセリングの先生は私にEMDRをしなかった。
その後、専門医から発達障害の検査と診断を受け、生きていてつらいのはトラウマではなく発達障害によるものですと断定された。
発達障害の検査は長く、たいへんで、お金もすごくかかった。
この3年間くらいで私は自分に関する理解が大きく進んだ。
カウンセリングでは話をして、リラックスのやり方を教わっている。
カウンセリングの先生と話をしていなければ私は仕事の資格をとれていなかった。
誰にもいえない気がかりなことを先生に相談している。
今はもう私にはEMDRは必要がないのだと思う。
『身体はトラウマを記録する』は、682ページもある本だけれど私には非常に興味深いもので、あっという間に読み終わった。
なんで私がこの本にこんなに興味がわくのかはわからない。
Amazonの自費出版の本で、EMDRを自分でやってトラウマを克服したと主張している発達障害の人がいる。
今はそのことについて、ああ、そうですかとしか思わない。
でもEMDRは私が先生をみつけるきっかけとなったものなので、感謝している。