小田桐あさぎ・著。
おもしろかったし痛快だった。
この本が日本で生まれ育ったすべての女の人たちに読まれればいいのにと感じた。
会社員も奴隷と変わりはないという言説に衝撃を受けた。
いわれてみるとそのとおりだ。
上司も格上の奴隷ということだ。
会社員でいられるうちにできることをやっておこう。
私の勤め先は副業が禁止されている。
高いブランドの服を着るならさりげなく取り入れるのではなく、「ザ・そのブランド!!」と誰が見てもわかるアイテムを買って身につけるべきというのがおもしろかった。
人生はお金が99%、のこりの1%は人間関係だといっていた。
私もうんと高い服が着たい。
せめてL寸が入るくらいに体重を減らしたい。
頭でそう考えていても、心の中で「バターたっぷりのクッキーをいやというほど食いたい」という欲望が渦巻いているとけっきょく太ってしまう。
というようなことが書いてあった。
それはそのとおりだけれど、そのへんの論がまだ私の頭にしみこんでいない。
根源的な欲求を無視するのはむずかしい。
しかし私のバターたっぷりのクッキーは、つらいときの代償行為としてあるのだから、変えられるとしたらそのへんからだ。
私はもしいま、10億円を手にして、それを自由にしていいといわれたらどうするだろう。
防音の家を建ててベヒシュタインのグランドピアノを買い、弾きまくり歌いまくるだろう。
そしてそれを高いマイクで録音する。
動画も撮って公開する。
他にやりたいことって思い浮かばないなあ。
土地を買って防音の家を建てたら10億円も残り少なくなるだろう。
ピアノの調律にお金もかかる。
歌のレッスンももう一度受けたい。
ヴォイストレーニングのほうがよさそうかもしれない。
手始めにミュージションに引っ越そうかな。
私の夢は小さい頃からただ一つ、ピアノがほしい。
自分のグランドピアノがあったらいい。
5歳の頃はグランドピアノの存在を知らなかったけれど、ピアノがほしいのはずっとそうだった。
旅行に行きたいとはあまり思わず、ずっとピアノを弾いていたい。
人が弾くのを見に行くより自分が弾きたい。
ほんもののグランドピアノの響きほどうっとりするものはこの世にない。
ジャズピアノのレッスンも受けたい。
作曲法も習いたい。
そして自分の思いを音楽にしたい。
言語化されない欲望は人に伝わりづらいというのも納得した。
まだ自分のところにお金があるわけでもないのに、いや、正確にいうと生きていけるだけのお金はあるし、会社員として報酬を得てもいるのだが、なんだか自分がいま富豪になった気がしてしまってわくわくしている。
この本を読み始めて私はまず風呂に湯をためてのんびり入った。
これまでは、夫がその後に風呂に入るのでないと光熱費がもったいないから、とかいろいろ考えてけっきょくいやになったりしていた。
でも、自分が入りたいときにざばっと5分だけでも入れば、疲れがとれて気分爽快になれるのだから、そのための光熱費なんて数百円だし、安いものだ。
そのことを学べただけでもこの本を読んでほんとうによかった。
ここ数日体が痛くて、昨日の夕方は頭もずきずきして薬を飲んだくらいだったが、風呂のおかげですっかり元気になった。
この本と出会えたから電子書籍読み放題サービスにお金を払っていてよかった。
ナイスサジェスト!!
同じ著者の本があと2冊読み放題で読める。
とっとと読んでしまいたい。