今井むつみ 著、日経BP 刊。
これは、口あたりのよい、即効性のある、手軽な解決策を与えてくれる本とは違う。
初めの始まりというか、読み終わって、さてあなたはこれからどうしますかという問いを突きつけてくる本だった。
読んでよかった。
もう一度読む。
なぜならほとんどの記述をハイライトしてしまったからだ。
どの行も大事なことを言っているように感じた。
そして、適切な直観を得られる、その道の達人になるのに約1万時間かかる、とこの本には書いてあったような気がした。
なので私は計算をした。
これから私が仕事を変えたとして、日に6時間働くとしよう。
10000÷6=1666.666...
つまり1667日くらいかかる。
ざっくり、1年に出勤日が200日あると考えよう。
1667÷200=8.335
つまり8年以上かかってしまう。
定年退職まぎわになってようやくその仕事について見当がつくようになるだろう。
これが日に8時間働けるようになれば少し見当がついてくる時期が早まる。
これまでの3年+9年くらいのオフィスワークで得た経験は助けになるだろうか。
それは、新入社員よりは少しましくらいな程度で、むしろ、違う社風のところに長くいたことが仇になるかもしれない。
ちょっと教わって分かった気になって慢心するのは非常に危険だろう。
死にものぐるいでやらないとついていけないだろう。
という気に私はなった。
私はものぐさな頭を捨てなくてはならない。
このままでいたら転変する世の中に取り残されてしまう。
世の中というのは人でできているからだ。
私はそうした危機感を大いに抱いた。