グロリア・スタイネムの「ほんとうの自分を求めて」を読んで、私は、純粋に自分のために作品を生み出したくなった。
アートは画廊で売られたり美術館に陳列されるためのものではないということをその本で学んだ。
油彩を手がけてみたくなった。
経験者に、アトリエに通うのでないならやめたほうがいいといわれた。
乾くのに時間がかかるしにおいがするからだ。
たしかに狭いわが家ではきびしいだろう。
と思って数年ぶりに絵画教室を検索してみた。
コロナ禍のころよりも増えていた。
教室を調べていると、まったくの独学でやることなど無謀に思えてくる。
アクリル絵具なら少し敷居が低そうだ。
なにかを描くというより画材で遊びたいのかもしれない。
描きたいモチーフはない。
抽象的な絵がいい。
と思って数年経つ。
ぱぱっと画材を注文するか、世界堂に行くかすればいいのに。
なぜか気軽に飛び込めないのだ。
画像は絵が描きたいと思ったときに手近にあるペンでささっと描いたものだ。
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