『BDS』ってなんだろう?

yotaon
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公開:2023/12/20

パレスチナ関連の記事やニュースを見ている時に時折見かける『BDS』ってなんだろう?と思い調べてみた。

市民による反対運動は、ボイコット、ダイベストメント(投資撤退)、サンクション(制裁)の英語の頭文字をとって「BDS」と呼ばれている。 (中略) 「軍への直接的な支援」には至らずとも、イスラエルの軍や警察に製品・サービスを提供することもBDSの対象になる。そのような企業を調査する団体は、日本企業についても問題視している。

後述するが、名指しされているのは日立建機やトヨタ自動車、ソニーグループ、三菱自動車だ。

BDSは一定の影響力を持つとみられている。世界最大のセキュリティ会社であるG4S(イギリス)のイスラエル事業売却や、フランスの企業連合ヴェオリアのイスラエルでのインフラプロジェクト撤退を促す要因になったとされる。

イスラエルとパレスチナの関係について立命館大学の錦田愛子教授がまとめているページを見つけた。

パレスチナ自治区の二重政府状態はその後、長期化して現在に至る。その間、パレスチナとイスラエルの間の対立構造に大きな変化は起きていない。パレスチナは国際社会への働きかけを強め、BDS運動(イスラエルへのボイコット運動)を呼びかけ、また2012年には国際連合のオブザーバー国家として認められた。だが大半の国々からはまだ国家承認を得られていない。イスラエルの政治では宗教右派が影響力を強め、「ユダヤ国家であると同時に、民主国家である」という国の指針が大きく揺らぎつつある。ネタニヤフ政権下では司法の独立性を脅かす法案が出され、2023年に入り史上最大規模の抗議デモが繰り返し起きている。こうしたそれぞれの内部での展開は、今後の関係性に長期的な影響を与えていくだろう。

2017年には、企業だけでなくアーティストのライブなどでもBDSが行われている。

米国のトランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都と宣言したことを受け、イスラエルに対するボイコットや投資の引き揚げを呼びかけるBDS運動への賛同が広がっている。

ニュージーランドの歌手ロードはファンなどに促され、テルアビブで来年6月に予定していた公演を中止した。

BDS運動ではこれまでに、英歌手エルビス・コステロや米歌手ローリン・ヒルなど多数のミュージシャンや作家が、イスラエルでのイベント中止やボイコット運動支持を表明している。

ロードのコンサート主催者は24日、テルアビブ公演が中止になったことを確認した。ロードに対しては、ニュージーランド在住のユダヤ人活動家とパレスチナ人活動家が先週、テルアビブ公演の中止を求める公開書簡を発表していた。

書簡ではトランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都と宣言したことに触れ、イスラエルの政策を、パレスチナに対する「占領とアパルトヘイト」と形容。

「テルアビブで公演すれば、イスラエル政府の政策を支持したと見なされる」と主張していた。

ロードはツイッターでこの書簡を共有したユーザーに返信し、対応を検討すると表明。インターネットで活動家やファンとやり取りする中で、コンサートの中止を決めた。

先日、アメリカ大使館でのデモに行った時にも「今やるべきことはBDSだ」と訴えている方がいた。

デモに参加し、プラカードを掲げ、声をあげる、それも確かに大切なアクションの一つだ。

だが、より効果的な行動ができるのであればそれをしていきたい。

BDS Japan Bulletinという団体が、どういった企業がどんな関わりを持っていて、その上でどんな行動をすべきか、詳細にまとめていた。

世界のBDS運動が現在最優先しているボイコット対象です。

これらの対象を4つのセクションに分けました:

  1. 消費者ボイコット対象 - イスラエルのアパルトヘイトへの加担が証明され、過去の記録によって慎重に選ばれた企業のこれらのブランドに対する完全なボイコットをBDS運動は要求しています。

  2. 資本引き上げ対象 - BDS運動は、政府、機関、投資ファンドに対し、できるだけ多くの加担企業、特に国連データベースでイスラエルの違法入植事業に関与していると登録されている企業、武器製造業者、銀行、さらにWhoProfitsやAFSC Investigateデータベースに掲載されている、占領を可能にしている企業を排除し、資本引き上げするよう圧力をかけています。以下に、私たちが反対運動を行っている対象の一部を示します。

  3. 圧力(非ボイコット)対象 - BDS運動は、イスラエルのアパルトヘイトへの加担を理由に、これらのブランドやサービスに対する圧力キャンペーンを積極的に呼びかけています。私たちは、戦略的な理由から、これらのブランドやサービスのボイコットを呼びかけてはいません。その代わりに、イスラエルのアパルトヘイトへの加担を終わらせるまで、他の形で圧力をかけるよう、支援者や機関に戦略的に呼びかけています。

  4. 有機的に発生したボイコットの対象 - BDS運動は、これらの草の根ボイコットのキャンペーンを始めたわけではありませんが、これらのブランドがパレスチナ人に対するイスラエルの大量虐殺を公然と支援しているため、それらキャンペーンを支持しています。

山中澪さんがイラストでわかりやすくまとめていたのでこちらもぜひ。 ※ツリー式になっています。

「対象をしぼった『BDS』」について自分なりにぎちぎちに2枚にまとめました(1枚目) 画像出典として書き入れているページ:https://t.co/JvU4IOjPII (2枚目はリプライに!⬇️) pic.twitter.com/VeGCRT9Htv

— 🏳️‍⚧️👻📗山中澪 (@j030i) 2023年12月15日

「対象をしぼった『BDS』」について自分なりにぎちぎちに2枚にまとめました(2枚目) 参考として挙げているBDS Japan Bulletinさんによる、画像1枚目のリストの日本語訳のページ。意義や一つ一つの選定理由など詳しい:https://t.co/MVjtcZYKPY (1枚目はリプライ先に!⬆️) pic.twitter.com/nDO0LIp0up

— 🏳️‍⚧️👻📗山中澪 (@j030i) 2023年12月15日

この「BDS」のことや他のアクションについてもまとめられているページがあり、とてもありがたいです🙏 「日本から私たちができるパレスチナ連帯行動」https://t.co/QLgWTdBTpv 2枚目のBに書いてる #NoTechForApartheid のキャンペーンについては↓ https://t.co/7I4ethtw2o

— 🏳️‍⚧️👻📗山中澪 (@j030i) 2023年12月15日

パレスチナの人々主導のキャンペーンとしての「BDS」で資本引き上げ要求の対象とされているエルビット・システムズについても少しですがまとめました。上の投稿のURLからダウンロードも可能です。 契約を結んだ伊藤忠アビエーションや日本エヤークラフトサプライへの抗議文を書く際の参考になれば🙏 https://t.co/h4hlX1pztz

— 🏳️‍⚧️👻📗山中澪 (@j030i) 2023年12月19日

パレスチナの人々主導のキャンペーンとしてのBDSが呼びかけたのではないボイコット、草の根ボイコットについていくつか自分なりにまとめた。理由に取りこぼしあるかもです。 まず、優先して取り組むべきなのはキャンペーンとしてのBDSがしぼった対象(引用の投稿で説明)への運動なのが前提です。 https://t.co/HgQgUoKWmg pic.twitter.com/D0rkb2baYP

— 🏳️‍⚧️👻📗山中澪 (@j030i) 2023年12月20日

※12月21日追記

伊藤忠アビエーションと日本エヤークラフトサプライへの署名がありましたので、リンクを掲載します。

2023年3月に日本で行なわれた武器見本市で、伊藤忠アビエーション(伊藤忠商事の100%子会社)と日本エヤークラフトサプライは、在日イスラエル大使の立ち会いのもと、イスラエルの“死の商人”エルビット・システムズと相互協力を促進するための戦略的協力覚書(MOU)を締結しました。

エルビット・システムズとは、イスラエル最大手の軍需企業であり、イスラエルが行なっている占領、アパルトヘイト、ジェノサイドに加担してきたことで国際的な非難と投資撤収の対象になっている企業です。エルビット・システムズは2023年10月以降、イスラエルに20拠点ある工場を24時間フル稼働して、今まさにガザで空爆と地上侵攻を続けるイスラエル軍に武器を供給しています。

戦争犯罪、国際法違反、人権侵害であるジェノサイドと民族浄化に、現在進行形で加担しているのです。しかし、それは今に始まったことではありません。イスラエル軍が使用するドローンと陸上装備の85%を生産するエルビット・システムズは、2008年、2012年、2014年のガザ地区の民間人に対する虐殺でもイスラエル軍に自社のドローンを供給していました。

またエルビット・システムズは、ガザ地区、ヨルダン川西岸地区、東エルサレム全域で使用されている監視ドローンや、アパルトヘイト政策の一環である分離壁(国際法違反)の部品も提供しています。過去には白リン弾を製造していたこともあります。エルビット・システムズは「実戦で証明済み」というキャッチフレーズで世界中に自社製品を売りさばいていますが、これはパレスチナ人を実験台にして性能を実証しながら武器を開発しているということです。

実際、2023年10月には「アイアン・スティング」という追撃砲弾がガザで初めて実戦に投入されています。今ガザで子どもたちをはじめとする民間人を実験台にし、大量虐殺し、パレスチナ人に対するあらゆる人権侵害を支援し続けている“死の商人”エルビット・システムズと協力することは、戦争犯罪、国際法違反、人権侵害に日本企業も加担するということです。

私たちは、伊藤忠アビエーションと日本エヤークラフトサプライに、今すぐにエルビット・システムズとの戦略的協力覚書を破棄し、今後二度とイスラエルの軍需企業と契約しないよう要求します。

まだまだできることはたくさんある。

パレスチナから遠く離れた場所からだけども、できることをしていきたい。

@yotaon
路上の珍獣。脚本を書くという。 Screenwriter,JPN lit.link/hikarusouma