0406:利こま。利吉さんて前々から顔パスで学園に出入りしていただろうから、初めて小松田さんに入門票へのサインを求められた時ちょっと混乱したりしたのかな。でもまあ初対面の新人事務員さんなので愛想よくサインはした。が、次の訪問で再びサインを求められ、この俺に?!とイラつき。一度で訪問者の顔を覚えられないなんて門番の適性ないよ君とイヤミを放てば、君じゃなくて小松田です利吉さんこそ人気のプロ忍なのに僕の名前も覚えられないんですか?お仕事困りません?(イヤミでない)とやり返され、覚えていて呼ばなかっただけだと言うのも言い訳がましく、つーか何だよこっちの事を覚えてるじゃないかともなる。
0416:利吉さんてフリーの忍者だから父上ひいては学園と敵対せずに済んでいるんだよなあとつらつら考えている。学園と仲の悪い城に就職したかつての生徒がまったく出てこないのは、世界観的に想定されていないというより、就職を設定した場合にシリアス度が上がりすぎてしまうのだと思う。「あの」山田伝蔵の息子であるということが知れ渡っている利吉さんなので、山田先生および学園を陥落させる餌にもなるところ、そうなっていないのは本人の実力ではあるが。しかしそうと知らず学園を裏切る情報を雇い主に献上する可能性は常にあると心に留めている利吉さん、入門票にサインしながら、この子は私がそうした裏切り者であろうと今みたいに中に入れてしまうんだろうなと想像して、その時は来ないけど、その時は絶対黙って侵入しようと考える。 自分を鍛えた上官に裏切られ友人と惚れた相手をただ自分が生きるために殺すノワールものを読んだ直後なので、落はノワール世界じゃないんだなあとしみじみ思った。この三十年という長きの間にもう話された話だと思いますが、学園での呑みの席で途中から二人で顔を寄せて話すのが常態化した若者達。利吉は客分だが、呑み会の最後は18歳と16歳で協力して後始末を担っている。というか16歳を手伝っている。その時に君は忍者になるなると言っているけど就職先によっては前の職場を襲う道具になることもあるんだぜと言ってみたら、それってぼくがプロ忍者として引っ張りダコってことですか?!と前向きすぎに解釈されちゃったから、違うとバッサリ。学園を襲う手先になるってことだよ、君が、と説明。少ない灯りの中でもぽかんと大口を開けた小松田くんの表情が分かる。しませんよそんなことと賑やかさの名残りを見渡す。へっぽこ事務員と呼びはして、しかし見捨てることはしない年上達の影の響きがあった。大体よい子達を巻き込みませんよぼくはと胸を張る。学園の事務員ですから。その頃には学園を離れてるだろとか忍者として雇うふりで拷問にかけるとか色々あるよと思いながら、躊躇なく学園側につく彼の意気込みを脅かす気にはならず、じゃあフリーランスを目指すんだねとアドバイス。え〜利吉さんの後輩かあ優しくしてくださいねと呑気に言われて、面倒見るとは言ってないとギョッと言い返す利吉。良い仕事があったらぼくと利吉さんで取り合いっこになるのかあと夢見る16に夢は寝床で見ろよとイヤミ言う18。「こっち」側に来なくたって楽しい夢を見ながら君は生きていられるじゃないかと16歳に対して考えてる18歳フリーランスの多忙忍者よ…。。。 夢を見ていて、うつくしくいて、というのは結局他者への己が願望の押しつけだけれど、そういう望み方しか出来ない利吉なのかもしれない。まあそんな小松田さんを時に仕事に利用してもいるが。 自分が不帰となったら彼は悲しむという自覚はあって、彼が夢を見続けられるように自分は生き続けなければならないと覚悟までして、他の要因で小松田さんの「夢」が破れた時の利吉さんの対応が見たいのもあり…。 パイセン方が部屋に戻らないのに場を退くことはできないとちびちび呑み続けるも暇だし大人にいい顔ばっかしてんのも疲れるし(疲れる、退屈、という感情を優先させられる場でもある)で結局小松田くんと隅っこでだらだら話すことになる利吉。お酒を呑んでいると内容を丁寧に噛み砕いて話してくれるようになるのでいっぱいおしゃべりできて楽しい!な小松田さん。
0418:利こまR18 https://fusetter.com/tw/YpPubJje
0429:利こま。優作さんが齢19にしてお店の主人をやっているということは父親が隠居よりは物故なのだろうなというのと(2号店を任されている、みたいな設定出てたらすみません)優作さんはほやほやの弟にお金はお兄ちゃんが賄うからやりたいことをやりなさいと小さい頃から言い聞かせてそうであり町の忍者学校の学費も出してあげてるわけじゃん。小松田くんの人生に寄り添いながらまったくイライラを見せない優作さんに呆れ&尊敬の利吉さんを想像する。 イライラするってつまり忍者に必要な冷静さを欠く状態なわけだから、自分はともかく私まで忍者に向かない者にしないでくれと小松田くんに言って、ひとのせいにしてる!と言われ返してほしい。
0526:利こま。小松田さんはサインもらえるまで驚異的な身体能力を発揮するけど、サインもらい終えたら無敵時間も終わるのかなあの話。無断で入ってきたどっかの城の忍者を追いかけて高い高い木のてっぺんに登りつめ、観念した忍者にサインはもらえたものの一人では降りられなくなってしまった小松田さんを利吉さんが見つけ、何してるのと下から尋ねるもいまひとつ声が届かず、ひょいと木を登る。利吉さん!とべそかき顔が伸ばしてくる腕はよけ、崩れたバランスの背中は支えてやって、こんな暗い山を誰が通りかかるんだよ身も世もなく泣き喚いてもっと早くに見つけてもらいなよと呆れ声で言う。やってはみたんですと洟をぬぐう小松田さん。カラスを手なづけたらピューッと飛べるかもと思って鳴き真似しても無視されました。素直に人を呼べと思いつつ、まあ人通りのない道ではある。君の重さを支えるのにカラスが何羽必要だと思ってるんだと呆れを増せば、利吉さんならひとり分ですね!と泣いた烏がもう笑う。さすがに君をおぶっては降りられないよと小松田の腰と枝を縄で結び、自力で次の足がかりに移動させ、枝の結び目を取り替えて、そろりそろりと命を降ろす。あとはもうジャンプで地面へという高さから先に利吉が着地してみせ、飛べるよ(このくらい飛べなくてどうするの意)と手を伸ばせば届くつま先を見上げる。えいやっと飛び降りる小松田。見てましたか利吉さん僕尻もちをつかなかったと喜ぶ。はいはいと流して学園に送ると告げる。ひとりで帰れますようと小松田くんはけらけら笑うのだけど、こんな手間をかけさせられた後で置き去りにしてまた何かしら救出する羽目になったらクソ面倒だから、その旨を告げて、共に歩く。やっぱり忍者ってカッコいいですよねシュタシュタッて木を駆けのぼっちゃうし。君もあの高さに登れたんだからポテンシャルはあるでしょ。それって僕に忍者の才能が…?!。違う。わーいプロ忍の利吉さんのお墨付きだ!。絶対違う再現できないものは才能と言わない。みたいなやりとりをしつつ夜の山を無事抜けた二人。学園ではホッとした様子の吉野先生が出迎えてくれた。吉野が利吉に礼を言う傍らに差し出される入門票。この融通の効かなさが才能だよと当てこすりながら受け取り、先の列にある記名を睨む。こいつが逃げ回ったせいで私が苦労した名前は覚えたからなの睨み。そこで先ほど「再現」と口にしたことを思い出し、つまり何度か救助している私には小松田くんの危機に巻き込まれる才能があるってことか?とハッとする。絶対イヤ。本日を限りにしたい。しかしすれ違う学園の皆からお帰りなさいと喜ばれ、喜び返す小松田くんを見ていると、まああと一回くらいならまた助けてやろうとなる利吉さん。あと一回が無限になる利吉さん。
0624:利こま。おつかい先の町中で利吉さんを見つける小松田さん。利吉だと判る=変装してない=仕事中ではないと判断し、お〜いと呼びかける。(渋々)止まってくれた相手のもとに走り寄り、ぼくこれからお使いなんですと宣言し、じゃあ!と去る。…なんで呼び止めたんだとムッとなる利吉。なら今から学園に向かえば入門票にサインとうるさくされないんだなと考えながら目で背中を追うと、ぼったくりの呼び込みに引っかかっていたので、仕方ないなと走り寄り、結局一緒に学園に帰る。入門票にサインをしながら、コレが《日常》になっているのだから仕方ないと思う利。
0730:
利吉さんと小松田さんが風呂場の火の番をしながら同じ味のおにぎりを食べつつ来年の約束をする話。山田利吉を生き方を選べなかった子どもとして書いています。
①学園では人が多すぎてイチャつけない、そもそもイチャつく関係にはない利こま 風呂場の火の番をしながら話をさせようは最初から考えていたが、それだと壁の内と外で互いの声が聞こえまくりだな?と思い、三年生に登場してもらった。初期案では和歌の間違いを指摘するのも利吉の役目だった。 おとながしっとりとした雰囲気出してるな…という時に、口を挟めるのは三年生が上限かなと。四年生は滝が上がれ上がれと促すし(綾は頓着なくヤダッて言う)、五年生は聞かないふりして騒ぐし、六年生は賭けをする若しくは風呂を遅らせる。 小松田さんが生徒から慕われている描写としても三年生を出せたのはよかったかなと思う。 ②勘違いとは言えど、お腹ぺこぺこな時も利吉に半分おにぎりあげられる小松田さん。 ③利吉が父親を冗談まぎれに「山田先生」と呼ぶところ。肉親という密接で切れないもののちょっとした客体化。が、これからの利吉には必要なのでは、とも思う。 ④来年の約束を小松田さんから出せたこと。初期案だと一方的に誘われて気が乗らない様子でしか描けていなかったので、相互的な仲良しであってほしいから、この流れに変更になってよかった。
⑤紅葉のメカニズムを現代の知識で説明するところ。時代小説で唐突にこの人物の子孫は〜とか、この時代はまだこうで〜とか、現代目線のメタ説明が入ってくるのが好きなので…。