鳥はかわいい。
実家に住んでいる頃、突然母が連れてきたセキセイインコ2羽。この2羽がそれはそれは可愛かった。青いのと黄色いの。
青い子は人懐っこく、人間のことを自分の仲間だという意識が強かったように思う。環境に慣れたらすぐ人の肩に止まり、何事か話しかけてきた。撫でて、と頭をずいっとこちらへ寄せてくる。餌を食べるのが下手くそで、よく嘴に餌をくっつけていた。可愛い。
黄色い子は警戒心が強かった。人間は人間、インコはインコといった区別がついているようだった。青い子のことが好きなのに、青い子から絡まれると嫌がるくせに自分からはよく絡む子で、たまに毛繕いをしてあげていた。人間の肩に止まるまでに時間がかかった子だった。とても体温が高く、少し飛ぶだけで足の裏がほかほかしていた。顔立ちが整った可愛い子。
鳥という生き物は愛情がある子が多いらしい。そしてそれなりに頭も良い。コミュニケーションを取ろうとしてくるのがとても可愛いのだ。いつも一緒に居ると仲間意識が芽生える。だから旅行とか、長時間外出すると寂しそうにしょんぼりしてしまう。表情に変化はないのだけれど、不思議とどういう気持ちなのかがわかる。
鳴き声も可愛かった。ご機嫌そうに歌うようにピロピロ鳴いてるのは可愛い。どちらか1羽がテンション高く鳴いてるともう1羽は黙って聞いていて、それがなんだか面白かった。
今その2羽はいなくなってしまった。私はインスタやXで鳥の写真や動画を観て楽しんでいるが、やはり本物と触れ合いたい気持ちがある。自分の手に止まった時のあの感触、温かさ、匂い。感じたい。
この2羽の匂いは本当にいい匂いだった。生きている、太陽の匂い。大好きだったな。