部屋が寒い。
この部屋に越してきて今年で2年になる。特に誰かに相談するでもなく、ノリで家を出て2年。部屋は柱が目立たない正方形に近いほうが良くて、コンロは二口。プロパンより都市ガス。浴室乾燥と宅配ボックスは必須。聞き齧っただけの部屋選びのポイントにいくつか当てはまるという理由だけで選んだ部屋。
ノリで出てきてしまったものだから家具も家電も全く決まっておらず、さらにこだわりもあんまりなかったので、部屋はほとんど店でおすすめされた安めの家電と実家から持ってきた家具(というにはチープすぎるかもしれない。大体ニトリ)で構成されている。そういえば朝テレビでやっていたけどニトリの8kgの洗濯機がずいぶん安い値段で売られていて声が出た。洗剤自動投入機能がついているのに。
この部屋の暖かさはエアコン(元々部屋についていた)と加湿器付きヒーター(家から持ってきた)によるものが全てだ。しかも後者はヒーター機能を電気代が掛かるからといってオフにし、加湿機能だけを稼働させている。一人暮らしは楽しくて自由だけど、思っている以上にお金がかかるからしょうがない。
間接照明だけをつけた薄暗い部屋は、粗が見えなくて助かる。この照明もなんともケチくさい使い方をしているのだが、それは一旦置いておく。散らかった部屋、ここ数日掃除機をかけられていない床。間接照明は、汚いそれらをぼやかして誤魔化してくれる。
寒い寒いと言いつつ冷たい缶チューハイを保冷タンブラーに入れて飲んでいる矛盾。目に入るどこもかしこも散らかっているし、インスタでよく見るオシャレな(どこに収納しているのか不明な)部屋とは程遠い。それでもこの正方形の小さな部屋はわたしの唯一の城だ。キンキンに冷えた缶チューハイを凍えながら飲む日々こそがわたしの生活なのだ。