留学で感じたこと 01

Yui Tanaka
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もうカナダにいるのもあと17日になりました。留学が終わろうとしているので記録というか振り返りのために、自分が留学で得たものや感じたことを書いていこうと思います。01のテーマは、「自分と向き合うための留学経験」です。


この留学で一番感じていたこと、それは「留学って単に海外の文化とかを学んだり英語で勉強したりするものではなく、自分とひたすら向き合うための機会である」ということだ。留学ではもちろん、違う国出身の友達や仲間ができたり、日本にはない食文化に挑戦してみたりする機会が増える。というかそういうものである。私は行くまで、というか留学初期は留学=そういう外の文化に溶け込むというか、染まるというか、「どこまで自分をカナダ生活に適応させることができるか」ということだと思って、いろんな外国人と話したり、いろんなイベントに行ったり、スポーツを見に行ったり、食生活もカナダスタイルに変えたり、自分にできることはできるだけやってアクティブに動いた。すごく楽しかったし、初めは周りから聞こえてくる言語が英語であることさえに感動を覚えていた。これなら8か月いけるっしょ、とワクワクしながら過ごしていた。

しかし、それも束の間、テストやレポートに追われて、自分を見失うようなことが増えた。term1のテスト週間は、先生にも些細なことを注意され態度が悪いだの言われてショックを受けた。課題も提出ギリギリで泣きそうになりながらやったこともあった。睡眠時間もギリギリの状態で何文字も打っても1wordに変換されない怒りと苦しみに苛まれながらエッセイを書いた。APA?Chicago?なんやねんそんなの、からの始まりだった。ネイティブ相手だと、私の課題にかける時間は何倍にもなる。授業の理解も数倍時間がかかる。もう留学をやめたいと本気で何回も思った。でも、帰れない。やるしかない。でもやればしんどい、逃げたらもっともっと辛い。カナダの大学生活に、溶け込もうと思うほど、楽しいのもあるけど、自分をさらに辛くてきつい状況に追い込むことになった。

でも今感じていることは「留学は自分の軸をどれだけ自国と違う環境でブレることなく持てるかが勝負」であるということだ。留学で一番ついた力、というか生き抜くためのスキルだと強くいえる。

もちろん、課題の量やエッセイを書くことに慣れたから自分のペースでできるようになったのもある。でも、もっと違う瞬間にそれを感じた。

それを強く感じたのは2023年末〜2024年始。冬休み期間になり、バスや電車を頻繁に使うようになったタイミングだ。バンクーバーで公共交通機関に乗って周りを見回してみると皆肌の色、背丈、身につけている服、話している言語…全てが異なる。日本ではまず感じない感覚だ。周りを見渡してみると、だいたい日本人が乗っている。その中で高校生にサラリーマン…といった「カテゴリ」でみていた世界から、自分がまるっきりマイノリティ、というか唯一無二の存在であるかのように感じる世界に変わった。まるで自分が「日本人」よりも「個人」としてみられている感覚になった。異国の地・バンクーバーで、私は日本人でもあるけど、同様に個人なんだ。個人として、生きているんだ。自分は自分として生きないといけない。自分の軸をどこまで貫けるかだ!となぜか強く感じた。結局、どう足掻いてもネイティブにはなれない、無理にこっちの学生のスタイルに合わせようとしても自分がしんどくなるというのもあるけど、それは諦めではなく「自分の軸となるライフスタイルをどこまでバンクーバーで貫いて、自分らしく生きれるかの勝負だ!」という新しい挑戦だった。


冬休みが明けて、term2になってからは課題も、読む論文もふえた。でも、一番大事にしたのは「自分らしく、自分のペースをどこまで貫けるか」だ。もちろん友達や仲間とご飯に行ったり、旅行に行ったりもたくさんした。でも、自分のペースを考えて、自分が生きやすい生き方を選んだ。

ちゃんと全休の日は休む。無理にイベントとかに出たり、課題を追い込みすぎたり、もちろんそれも大事だけど、自分がしんどくなるだけの時もある。ゆっくりする時間とのメリハリをつける。食べたいものを食べ、これしたい!と思ったら即行動する。日本だったらバイトや就活などを考えないといけないけど、留学で自由な時間がたっぷりあるからこそ、自分の自由な生き方を考えられた。そして今、もちろん忙しい時もあるけど、なんか自分に合ったライフスタイルで頑張れてるなと感じる。

異国の地で、自分らしく伸び伸びと生きられるようになった、その術を身につけることができた。すごく今、息がしやすい。

最後に、ずっと留学生活でお守りにしてきた白州正子さんの言葉を。この一文が、私の留学を物語っている。

「本当に国際的というのは、自分の国を、あるいは自分自身を知ることであり、外国語が巧くなることでも、外人の真似をすることでもない。」

@yu1ete
2023.08-2024.04 カナダ留学の日々折々🇨🇦