朝から福袋に並んでいたら、「剣の列はこれですか?」と複数のお年寄りから聞かれる。お年寄りが求める剣の列が何なのか気になるが、自分はドムドムバーガーの福袋の列に並んでいる。
自分が並んでいる位置が、ちょうど交差点沿いのお店の角にあたる場所で、お年寄りのファーストコンタクト地点である上に、持ち前の話し掛けやすいオーラで、お年寄りを惹きつけてしまっているようだ。
あまりにも剣の列はどこかと聞かれるので、途中から面倒になってAirPods Proを装着して、話しかけるなオーラを全面に押し出す。
ところがお年寄りにはAirPods Proが装着されているどうかはお構い無しに、剣の列を尋ね続けられる。何なら補聴器だと思われていた節もある。
お年寄りをここまで熱狂させる剣の列とは何なのか。
私はドムドムバーガーの福袋に並んでいるのであって、剣の列の場所は知らないので、「みなさんあちらの方に行かれますね。」とパチンコ屋の店員が換金所をそれとなく示すような口調になる。
剣の列の案内をしつつも、ドムドムバーガーの福袋を無事に購入。後でお年寄りが求める剣の列の正体を暴きに行こうと思っていたのだが、ドムドムバーガーの福袋を無事に手にした高揚感から、そんな事を忘れて帰宅していた。