3月1日 金曜日
友人たちから「日記を書き始めた」との連絡が届いた。昨今では、推敲せずとも手軽に自分のことを書き込めるツールが多く存在しているが、書いたり消したりしながら一日を綴るのもまた一興だと思う。SNSとの距離も上手く取れるようになるし。インターネットに疲れた人は日記を書いてみてほしいと常々思ってる。続く/続かないは置いといて、友人たちの日々を追うことが日課になる。喜ばしい。これから楽しみだ。
3月2日 土曜日
上野駅で晦さんと待ち合わせ。先月家族から誕生日プレゼント代を貰い、使い道を考えたところ、合羽橋にて酒器を探すことになった。我が家にはいま、おいしい日本酒もある。しかも2本。最強の布陣を揃えるため、春のしっぽり大作戦を開始する。
私の方が先に到着したので、駅中で開催していた物産市をみて回る。クリームチーズの味噌漬けが売られており、店員さんの勧めで試食させてもらった。超速度で「酒がほしい!」と思った。レジ直行。その後、晦さんと合流。『超アジテート・ムジナ穴』をみにバズチカへ。大河紀さんのドローイングは風みたく流れるタッチで描かれている反面、幾何学的とも受け取れる。いい展示をみた。ニコニコしながら、浅草方面へ歩いていく。河童橋では、陽が暮れるまで様々な店に入っては吟味した。なんとか気に入った徳利とお猪口をゲット。帰宅後は湯を沸かし、初めて燗酒を作った。早速チーズの味噌漬けをアテに、しっぽりリハーサルを開催。おれ、しっぽりいけます。やらせてください!
3月3日 日曜日
友人がボロボロの状態だったので「会おう」と誘い、我が家で一緒に食事することに。彼女に対し援助ができるほど懐に余裕はないが、話を聞いたり食事を用意することなら出来る。なお、これは「優しさ」ではなく、完全に私のエゴでやっている。多少いい作用があったら双方良しだ。この日は鱈のムニエルとサラダ、蒸しキャベツを作った。喜んでくれてよかった。腿から膝にかけて大きく破れたボトム(ハサミで切ったらしい)を履いていたので、あまり着用してなかったカーゴパンツを譲る。「推しの舞台観る時、履いてくわ」と言っていた。あっという間に時間が経ち、終電が近くなったため玄関まで見送って解散。
3月5日 火曜日
アーバンギャルド『ラヴクラフトの世界』が頭の中で流れていたので、久しぶりに再生した。何度聴いてもクラシックだと思う。在宅勤務。集中力が続かず困るが、やけに忙しい。やるしかない。出力を3人分くらいにチューニングし、無事定時で退勤できたので、近所の皮膚科へと駆け込んだ。己の皮膚と対峙。帰りしな、スーパーで買い物。ちょうど割引シールが貼られる時間帯で嬉しかった。自炊する気力もないので、恩恵にあやかる。半額の刺身や惣菜をゲット。帰宅してから、それらをつまみに日本酒を開けた。実家にいた頃、父親しかいない夜の食卓と似た景色が我が家にも広がる。晩酌中、将来のことを考えては不安になったりもするが、先が見えないって「なんでもできること」の裏返しかも…とか思ったりする。地に足がついてなくて本当に良かった。