2025年の"マイベスト"ミステリ小説の紹介

yud0uhu
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公開:2025/12/1

これは「2025年の"推し"本 Advent Calendar 2025」の1日目の記事です。

2024年に始めた"推し"本アドベントカレンダーではたくさんの方に寄稿いただきました。

寄稿いただいた本は全冊購入し読みました。その結果めでたく燻っていた読書熱が再熱し、これを機に読書記録を始めようと思い、今年の2月頃からブクログを始めました。

ただ読んだ記録をつけるだけでは味気ないなと思い、途中からブクログにレビューを残すようにして、33件(2025年12月1日現在)のレビューが溜まりました。

話が脱線しますが、以前、映画の鑑賞記録を「coco」という映画レビューサイトに投稿していました。

Twitterアカウントと連携していると、画像のようにツイートと連動して感想を投稿でき、プラットフォーム上に蓄積できるレビューサイトです。

マイベストを登録しておくと、趣味嗜好の近いユーザーをレコメンドするシステムなども提供されていました。

僕の昔のアカウントでのレビュー

残念ながら2023年の4月末日を持ってサ終してしまいましたが、週一くらいの頻度で映画館に通っていた当時の僕にとっては、その瞬間に感じた思いをログとして残すことのできる魅力的なサービスでした。

閑話休題。記録をつけていると、自分の趣味嗜好がログとして明確に可視化されると感じます。

ブクログにレビューを残したタイトルの中だと、17/33 がミステリでした。

「今年読んだミステリ」だと、あと数冊は増えます。

密室、雪の山荘、不可能犯罪、フーダニット、ハウダニット、叙述トリック......。現代新本格ミステリの潮流を牽引する綾辻行人の「館シリーズ」をきっかけにミステリにハマり、ジョン・ディクスン・カーのギデオン・フェル博士シリーズやアガサ・クリスティのミス・マープルシリーズで青春を過ごした僕は、「ミステリの王道」 といわれるジャンルに弱いです。

今回は、今年読んだ中でも特に刺さったミステリ小説を二本ご紹介します。

扉は閉ざされたまま (祥伝社文庫)

Xのフォロワーさんからおすすめいただいたのをきっかけに読みました。

石持浅海さんによる「碓氷優佳シリーズ」の一作目です。犯人視点のいわゆる倒叙ミステリで、犯人vs探偵、知性と知性のぶつかり合いが描かれています。

漫画「金田一少年シリーズ」が好きです。魅力的な「犯人」と、それを追い詰めていく探偵との心理的な攻防が好きです。

ホームズにはワトソンが付きものなのと同じくらい、モリアーティ教授の存在が不可欠であるとすら思っています。

つまるところ探偵と同じくらい魅力的な"犯人"の存在が、推理小説を輝かせてくれると思っています。そしてそんな"犯人"は、悪のカリスマというよりは(下衆さとは別の)一種の"人間臭さ"を纏ってくれていればより好みです。

そんな僕にとって、本作は2025年のマイミステリ再ムーブメントを起こしてくれた作品でした。daichiさん、おすすめありがとうございます。

密室殺人ゲーム2.0 (講談社文庫)

「密室殺人ゲームシリーズ」は、「密室」というシチュエーションと「ハウダニット」に重きを置いた本です。

ネット上で繰り広げられる推理バトル。殺人を一種のゲームとして見なし、匿名性を盾に非情の限りを尽くす主人公たちの行く末を見守る読者自身も、また感覚を麻痺せざるを得ない本作はまさに"悪趣味全開"の一言に尽きると思います。

「密室殺人ゲーム2.0」は、前作の王手飛車取りからの流れがあって初めて愛着が湧く作品だと思うのですが、トリックの妙もさながら結局のところ犯人たちの"人間臭さ"に惹かれてしまっている一読者としての自分がいるのだなと、再認識させられる作品でした。

@yud0uhu
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