19巻 THE BLACK MOON RISING 黒崎一護
そう、何ものも わたしの世界を 変えられはしない
表紙は一護ですが、巻頭ポエムはおそらくユーハバッハの心情です。
全巻を通して一護の巻頭ポエムは一人称が「我等」「わたし」「僕」となっていて一護の一人称とは異なっているので、ユーハバッハもしくは斬月だと思っています。
「わたしの世界」は一護の心象風景の世界で、「何ものも」には一護を含む人間だけではなく、それ以外の全ても含むニュアンスとして「もの」がひらがなになっているのかなと想像しています。
一護の力強さと未熟さを表しているように感じられて好きな巻頭ポエムです。
22巻 CONQUISTADORES ウルキオラ・シファー
我等の世界に意味などなく
そこに生きる我等にも 意味などない
無意味な我等は 世界を想う
そこに意味は無いと知ることにすら
意味など無いというのに
ウルキオラが司る死の形「虚無」をよく表現した詩だと思います。
虚無主義さえも否定しているような雰囲気が、キャラクターとあっています。
最終的にはウルキオラは「心」を理解し、その心情の変化が40巻の「心在るが故に」に繋がっていきます。
破面篇で一護の宿敵として登場した際の、圧倒的な強さに対する一護の絶望感とも合っている巻頭ポエムだと思います。
45巻 THE BURNOUT INFERNO 山本元柳斎重國
伏して生きるな、 立ちて死すべし
山本総隊長の強靭さを端的に表現した文です。
「伏して」「立ちて」には言葉通り身体的な意味だけでなく、精神的なものとしての意味も含まれていると思います。
この言葉の通り心身ともに立ったまま燃え尽きた山本総隊長は力強く、こうありたいと思う姿でした。
64巻 DEATH IN VISION グレミィ・トゥミュー
美しさとは、 そこに何もないこと
個人的に一番好きな巻頭ポエムです。
何もないからこそ無限の可能性があり、そこには美しさが感じられます。