我々は新入りバイト

松下ゆき
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今週から母が助っ人にきている。里帰り出産するか否かは人によって分かれるが、私の場合里帰りは選ばなかった。

自分の場合判断の決め手になったのは、知人男性Yさんによる言葉。

「絶対里帰りしないほうがいい!なぜなら妻側がその間でスキルアップし育児で夫を圧倒するようになる!そうするとそのギャップでお互いイライラするハメになる!!仕事と一緒!最初から新人として同じ失敗と成功体験をつんだほうが俺はよかった!!そう、子育ては全くちがう職種に転職するようなものなのである!!!」

ふだん理路整然としてるYさんの初めて見る目をカッと見開いた勢いと説得力に背中を押された。(もちろん里帰りには里帰りのメリットがある!)

あと自分の場合、子どもいてもいいかもの一部に夫ヒガシノが育児してるところを見てみたい欲があったというのもある。情の面でわたしよりも子育てをエンジョイできそうな人間なのだ。

かくして我々はあまりにこれまで「仕事」としてきたものと世界観が違いすぎる業務に新人として飛び込むことになったわけである。

そうして楽しも苦しも悩みも新人としてぶち当たっていたさなかでの母降臨。

我々が新人バイトとしたら母はベテラン正社員であり、育児はもちろん家事スキルもステージが違う。そして結果心の余裕が異なり我々とは切迫感が全くちがう。冷静に考えて職歴20年越えとかなんだから圧倒的キャリアである。

かくしてその余裕は私の心にも派生し余裕をもたらしている。

幼子のときは物理的におんぶに抱っこだったろうが、いまは生活的におんぶに抱っこされている。こんなベテラン社員とオペレーションが組めている中、それが欠けたらこの業務組織はどうなるのか?はまだ想像がつかないというか想像したくない。

ばぶばぶの新入りバイトが今後どうなっていくやらに乞うご期待である。