本を読む人を増やすには

王城の夕紀
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あるpodcastで、本を読みたい人が少なくなっているのではないか、その原因はそもそも読書が「自分を強制的に組み変えられるマゾヒスティックな快楽だから」で、それを望む人は少ないからではないかと話していた。なるほどと思いつつ、その手前の、「文字を読んで脳内でイメージ変換する営為自体がそもそも苦行である人も多いのではないか」という気がしている。漫画や映画やテレビと比べると、受け手側がそれを受け取るための”コスト”が高いからではないかと。ネットも、文字(Xやfacebook)から画像動画(インスタやTikTok)に主流は移っている。

本を読む人が増えるには、と考える。自分のためでもあるけれど、本は文化の最後の砦だから。マルクスもホメロスもドストエフスキーも量子力学も全部入る最も大きな器が本だと思うからだ。ネットは今のところその器にはなり得ていない。ネットは、貯蔵庫(ストック)ではなくトレンド(フロー)としての場所になっているように思われる、いまのところは。本当はストックの場所にだってなり得るはずだけれど、それにはれっきとした意志とデザインが要る。