JリーグはDAZNになる前からスカパーが中継したり地上波でもちょっとやったり代表戦も最近はできないこともあるけどまぁまぁ中継やってる。海外サッカーもメジャーなところはまあまあ昔からやってる。WOWOWとか、映像コンテンツとしてちゃんと存在している。海外サッカーの場合は中継映像のメインがその国なので日本のコンテンツ制作の歴史とはまた違った成り立ちや積み上げがある。
そういう色々に触れられる環境があるという前提で地域リーグの試合のYoutube配信を見ると色々と思うことがある。
まず機材が間に合わない。これは仕方ない。なんなら設置できる場所すら違うかもしれない。本部みたいなところに置いてたりする。ピッチ全体を映せなかったりする。全体を映し続ける必要はないけどゴールキーパーのロングキックからゴール前の混戦で1点狙うぞって時にキーパーが蹴る様子を映像に入れるとゴール前の場所の取り合いが映らない。そんなこと有料コンテンツでやったらクソじゃないですか。何を映してんだって話。なのでデフォルトで放送事故が起きてる。じゃあカメラ2つでスイッチしたり2画面にしたりとか、そういうのもない。カメラそんなに無いし、面倒みれないし、スイッチング?みたいな話。担当できる人もそんないない。
配信してるだけでありがたい話なんですよ。
そして、ここからが面白いところ。中継している人たちは自分の中にあるサッカー中継をやろうとしているわけです。ハウツーが固まっていてカメラや機材にサッカー中継モードなんてメニューがあるわけもなく、自分が見たことあるサッカー中継を無意識に目指しちゃう。そりゃ見たこと無いようなサッカー中継を目指す意識の高いクリエイティブを見せられてもってのはあるにせよ、なんかどっかの中継のコスプレみたいになる。
ズーム機能つかって選手をアップにしちゃう。選手の生の表情をおとどけ!ベッカムカメラみたいなことをやろうとする。でもズーム遅いしカメラ1つだから、操作する人が頑張ってスムーズにアップしていってる動きを見させられることになる。カメラ2つあってスイッチできれば一瞬なんだけど、数秒それを見させられる。そしてまた全景に戻すのに数秒。ズームいる?って思うじゃないですか。コーナーキックける選手にズームする、右手をあげる表情、いる?それならゴール前でどう守ってるか立ってるかみたくない?ショートコーナーになったらズームで戻す先はパスした味方選手なので戻す予定のところじゃなくておっとっとってなったりして。でもそれをやりたかったんでしょ?って思う。なんだか面白い。
実況もそう。サッカー実況をやろうとするんだけど、日テレのコスプレだと残念度高かったりする。JFLのスタジアム音声だけが一番良いし、それ以外は基本ミュートしてみてる。バスター・キートンの映画みたいなもの。だって無粋なんだもん。そもそも地上波のサッカー中継の実況は色々言われがちなわけで、それの劣化コピーなら推して知るべしってわけ。伸びしろとも言うだろうし、Jリーグでも下のカテゴリの地方チームの試合だと地元の局のアナウンサーとかがやってて、僕、日テレさんみたいな実況できるんですよ!ってアピールしてるように感じることさえある。もしかして第一志望は日テレ?みたいな。
配信してるだけでありがたい話なんですよ。
実況は基本的にピッチで起きていることを説明するわけで、やりすぎるとフジテレビの青嶋達也アナウンサーとかボール触った選手を片っ端から名前呼んじゃったりする。音だけ聞くとスペイン代表だけ試合してるみたいになったり。あれはあれで芸で、そんなことを素人ができるわけない。なんなら地域リーグの両チームの選手をその場で片っ端から名前呼べるんですか!?って話なわけです。そんなのすげーマニアックじゃん。なので青嶋コスプレの実況はいないんだけど、実況ってそれなりに芸なんですよね、本当は。副審が旗あげてるのにオフサイド分からなかったり、審判のジェスチャーでゴールしたかどうか判断できなかったり、でもそれ、地上波の中継でも無くないですか?って思うので、そんな贅沢言うなよって話ではあるんだけど。
まあそんな感じで、地味に日本のサッカーの現在地みたいなことを感じられて面白かったりします。サッカー文化って選手や指導者やサポーターだけじゃないのよね。
みなさんも罰ゲームだと思って何かの試合みてみることをおすすめします。