
初の西條奈加さんの作品。
騙されて江戸にやってきた13歳のお末の奉公先は、やる気のない従業員たちがいる落ちぶれた「鱗や」だった。3か月前に入婿した若旦那と共に、名店だった頃の「鱗や」を取り戻すぞ!だけど若旦那には秘密がありそうで…?というお話。
「面白かったな~!」と読み終わって、改めて表紙とタイトルを見たときに「あれ?私が読んでたのはこれだったっけ…?」と混乱。先に読書メーターで感想を見ていたので「思ってたのと違う!!」とはならず、かなり楽しんで読んだけど、癒されたいと思って手に取った方は驚いただろうな。タイトル(表紙)詐欺にも程があるよ!「鱗や物語」にした方がまだ良い…かな?ミステリーありの作品で、後半はそれにサスペンス要素が加わる展開に。とんでもない極悪人がいたもんだな…!ちょっぴり切ないけれど、希望が見える終わり方なので、読後感は悪くない。序盤、奉公に来たばかりのお末ちゃんをいびる描写があるから、苦手な人は注意が必要かな?でも若旦那が助けてくれるのでご安心を。
私みたいに作品のギャップを楽しみたい方、ハラハラドキドキしたい方におすすめです。