メンタル管理が一番の仕事かもしれない

yukiyadorigi
·

最近、まじで情緒不安定がすぎる。

誰かに当たり散らしたり、感情の波を仕事に出したり、そういうトラブルめいたことはほとんどしてない。けど、頭と心のなかがものすごく忙しい。

楽しみなことが増えたり、新しいことをしたりする場が一気に増えて、それについて考えているとき、同時に楽しくなかったときのことを思い出す。「あのときって、だから楽しくなかったんだ」とか「すごくつらかったのに、気付くことすらできなかったんだ」とか。強いスポットライトを受けて、闇になった空間をじっと眺めているような気分。

そうそう。幼少期からピアノをやっていて、発表会やコンクールに出るとき、ステージに上がっていた。ステージの上は照明の温度であたたかくて、空気は乾燥していて、象牙の鍵盤は指になじまなくて、失敗は許されなかった。あの場で弾く演奏曲は、練習のときよりもずっと楽しくて、一度きりの音楽にどんな景色や香りを感じるか、ほんとうに血が沸き上がるような高揚感があって。

そうして弾き終わったあと立ち上がって礼をする前、観客席は闇に見えた。拍手は聞こえるけれど、「そんな拍手もらうような演奏できましたかね」「そもそもちゃんと練習をしてこの場に臨みましたかね」という不安が押し寄せて、「っていうか私、そんなにピアノ好きじゃないかも」とか「練習しんどい」とか「人生やり直したい」とか「死にたい」とかが同時に頭に浮かんでは消えて、重く重くのしかかるものに耐え切れなくなるように深々と頭を下げていた。

まだうまくまとめられないけれど、私にとってハードルの高いことに挑戦することと情緒不安定になることはセットなのだと思う。そのたびに「もうこのステージから降りたい」と強く思うし、私にはその能力がないと必死に否定しようとする自分が出てきて暴れる。

でも、一時期「二度とステージになんか立つものか」と心に決めて、努力せず鍛錬も避けて怠惰な隠居生活をしてみたら、「なんてつまらないんだろう」「これで人生まだあるとか長すぎるやろ」という、ありきたりで予想通りの感想が芽生えた。

結局、情緒不安定になる自分をなだめながら、何かに挑戦し続けるほかないんだろうな。そういう覚悟が、いまの私を動かしている。

というわけで、メンタル管理が一番の仕事になってくる。

よく食べて、よく寝て、よく考える。失敗してもいいって100回言い聞かせる。自分の存在意義とかできることの価値とかうじうじ考えない。好きなこともして、ストレス発散もする。誰かに褒めてほしい自分も、甘えたい自分も、死にたい自分も含めて、ほかの誰でもなく自分が自分に拍手を贈れるように。

@yukiyadorigi
ここでは何者でもない自分の日々を残していきたい。