ディズニーリゾートを例に紐解く、素晴らしい体験とは

yuktrme
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この記事は、NOT DESIGN SCHOOL Advent Calendar 2023の15日目です。

こんにちは、NOT DESIGN SCHOOLでコミュニティマネージャーをやらせていただいているうゆと申します☺️

つい先日、NOTで記念すべき初ウェビナーが開催されまして、恐れ慄きつつ登壇をさせていただきました。

その中で「UI/UXデザイナーとしてお仕事し始めたきっかけはなんですか?」と質問があり、ふと思い返してみると、大好きなディズニーワールドを創造したウォルト・ディズニーは人類初のUXデザイナーだという記事を読んだことがきっかけで「UXデザイン」を意識し始めたことを思い出しました。

そんなわけで、素晴らしいつよつよメンバーが揃っている今回のアドベントカレンダーの中で、何について書くか悩んでいた際に「一番書きたいと思ったことについて書くといいよ」と伝えてくださったSpecial Thanks ひろきさんの後押しもあり、『ディズニーリゾートを例に紐解く、素晴らしい体験とは』について書こうと思います!!!

(よくよく思い返したら、高校で書いた卒論もディズニーについてだったな……😌)

皆さんはディズニーリゾートを訪れたことはありますか?

おそらく、読んでくださっている半数以上は人生で一度は「行ったことがある!」という回答になると思います。

そして行った感想はどうでしたか?と聞かれたとしたら、行ったことのある皆さんはなんて答えるでしょうか?

「楽しかった〜〜!!!!」

と答える方が多いかと思います。(そう信じたい)

ディズニーに行くと、非日常的なディズニーのキラキラした夢の世界に入り込めて、私は行くたびにとっても幸せな気持ちになります✨

帰る時には「まだ現実に戻りたくない……」って一度は思ったことがある方、いるんじゃないでしょうか。

ディズニーの世界への没入感を作っている体験設計のヒミツ

ディズニーリゾートに到着した時のあの少しずつ夢の世界へ入り込んでいく、ワクワクとした胸踊るあの感覚。

パークに足を踏み入れた時の一気に夢の世界へと吸い込まれるあの感覚。

わたしはあれらの感覚の裏には、素晴らしい体験を設計している何人もの方がいらっしゃるんだろうなと考えています。

今回は、私が素敵だなと思っている体験の裏側についてご紹介します。

ディズニーランド・シーは訪れたゲストに様々な体験を提供するための「青空を背景とした巨大なステージ」である

ディズニーランド・シーでは、パーク内のあらゆるものがテーマショーという観点から、そこにお迎えするお客様は「ゲスト」、その舞台で働く従業員は「キャスト」と呼んでいるのだそうです。(自然に「キャストさん」と呼ばれているのにも、こんな理由があったのですね)

小話:そのキャストさんの行動規範も調べてみると面白いと思います……私のお気に入りは『「東京ディズニーリゾートで働くキャストもショーの一部」なので、パークに訪れるゲストのために「ショーは毎日が初演」の気持ちを忘れずに、ショーを演じる』という部分です🌟

参考リンク:https://www.olc.co.jp/ja/tdr/profile/tdl/philosophy.html

そして「夢と魔法の王国」ディズニーランド、「冒険とイマジネーションの海」ディズニーシー、それぞれのパークにテーマやストーリーがあるエリアが存在します。

そのそれぞれのエリアのテーマショーの世界を演出するために、以下のような工夫がされています。(記載はごく一部です)

  • それぞれのエリアにはバックグラウンドストーリーがある

  • パーク内を歩いていてエリアを横断する際、BGMが自然に切り替わるよう設計されている

  • エリアごとにキャストのコスチュームが変わり、別エリアのコスチュームを着たキャストが違うエリアにいることがない(違うコスチュームのキャストさんがいると違和感がありますよね)

バックグラウンドストーリーとは?

上記で挙げたものの中でも、私が一番大好きな部分は、パーク内それぞれのエリアごとに「バックグラウンドストーリー」があることです。

バックグラウンドストーリーとは、そのエリアに設定されている物語のことなのですが、これがもう奥深くて、知れば知るほど「あれ?こんなことあったっけ……?」って現実でない話のはずなのに、本当にあった物語のように感じてしまいます。

今回はそのうちのいくつかをご紹介しようと思います。

アメリカンウォーターフロントエリアのバックグラウンドストーリー

アメリカンウォーターフロントとは、20世紀初頭のアメリカの街並みを舞台としたエリアで、ニューヨーク、トイビル・トロリーパーク、ケープコッドの大きく3つに分けられます。

そのうちの古き良き時代の街並みや港をイメージしたニューヨークエリアには、人気アトラクション「タワー・オブ・テラー」があるのですが、乗ったことがある方も多いと思います。

このアトラクションにももちろんしっかり設定があって

ハリソン・ハイタワー3世が建設したホテル・ハイタワーでは、とある事件をきっかけに現在は営業を停止しているものの、ニューヨーク市保存協会が主催する見学ツアーが行われている最中という設定になっています。

(とある事件とは:ハリソン・ハイタワー3世は非常に強欲な人物なのですが、世界中を旅している間に見つけたムトゥンドゥ族が所有する呪いの偶像「シリキ・ウトゥンドゥ」を強奪します。そのお披露目パーティーをした晩、ホテル・ハイタワーの最上階にある自身の書斎に偶像を持ち込もうと、エレベーターに乗った姿が目撃されたことを最後に失踪してしまいました。)

アトラクションに乗ったことがある方は、なんとなく聞き覚えがあるのではないでしょうか?

これ、最初にキャストさんが「ニューヨーク市保存協会が主催するタワー・オブ・テラーのツアーへようこそ!」とお伝えしてるんです!

早く乗りたくてあまりちゃんと聞いていなかった……という方もいらっしゃるかもしれませんが、タワー・オブ・テラーにいるキャストさんは全員、ニューヨーク市保存協会の職員さんとして、説明をしてくれているのでよく聞いてみたら面白いですよ💛

また、アトラクションに並んでいる間に新聞が貼ってあるのですが、その新聞もよくよく読んでみると本当にあった出来事かのように書かれているので、並んでいる間はぜひ周りを見渡してみてくださいね!

ロストリバーデルタエリアのバックグラウンドストーリー

もうひとつだけ、私の大好きな故郷(?)ロストリバーデルタについてご紹介させてください。

1880年代前半、巨大なハリケーンの襲来によってジャングルに覆われていた地域が姿を現し、1930年代には多くの考古学者や一攫千金を狙う者が集まった古代文明遺跡発掘現場をモチーフにしたこのエリアがロストリバーデルタです。

その中でも、先ほど紹介したタワー・オブ・テラーと並ぶ人気アトラクション、インディ・ジョーンズ・アドベンチャーにももちろん、バックグラウンドストーリーがあります。

インディ・ジョーンズ・アドベンチャーは、インディ・ジョーンズ博士の助手であるパコが企画した魔宮ツアーです。

インディ・ジョーンズ博士は調査中、この遺跡には一口飲めば永遠の若さを手に入れられる「若さの泉」があることを発見しました。しかし、クリスタルスカルの怒りを買ってしまうと命はないことから、神殿に入ってはいけないと強く警告をしていました。

ですが、助手のパコは博士が魔宮の調査で不在なのをいいことに、お金儲けのため内緒で「若さの泉」を見つけるためのツアーを企画します。私たちはそのツアーに参加をするゲストなんです!

アトラクション内で並んでいる間、耳を澄ますとラジオが流れているのですが、よくよく聞いてみると神殿に入ることに対しての警告をしている声も聞こえてきます🥹

ちなみに、神殿の近くの川の辺りにはインディ博士が乗ってきた小型のジェット機を見ることができます!

本当にそこでストーリーの登場人物が生きていて、私たちもその世界に入ったような没入感を得られるよう、細部まで設定がされているんです😊

ディズニーをきっかけにUI/UXデザイナーになった私が伝えたいこと

つい楽しくなってしまい、つらつらと書いてしまいましたが、ここまで読んでくださりありがとうございました。

色々と書いたのですが、結局私が伝えたいことは

よくよく周りを見渡すと、素晴らしい体験って至る所に散りばめられている✨ということ!

例えばディズニーでただ歩いてる間も、「つまんないな〜」と思いながらアトラクションに並んでいる間も、周りを見渡してみたら、数えきれないほどのディズニーの配慮や歴史・設定が詰まっています。

これはディズニーだけでなく、普段の生活でも通じることだなと感じているのですが……

例えば、この前コンビニのATMでお金をおろした時、お金より前にカードが出てきて、カードを受け取った後にお金が入ってる部分が開いたんです。

ふと、なんでカードだけ先に出てきたんだろう?と、今までカードと現金が一気に出てくるタイプのATMに慣れている私は疑問に思ったのですが、

自分なりに考えた結果、現金だけ取ってカードを受け取り忘れて行ってしまう人や、同時に出てくると焦ってしまう人などがいたのではないか?だからそのために考えられた体験なのではないか?とちょっと優しい気持ちになれました。

私はこんなふうに、

これからも早歩きしすぎずに周りを見渡したり、当たり前のことを当たり前と思わずに興味を持って、身の回りにある「世界のどこかにいる誰かが真剣に向き合って設計された体験」を見つけていきたいなと思います。

皆さんの最近見つけた素敵な体験についてもぜひ教えてくださいね💌

ここまでお読みいただき、ありがとうございました!

UX観点で巡る、ディズニーリゾートツアーの参加者さんも募集中です🙋🏻‍♀️笑

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@yuktrme
事業会社で働くUI/UXデザイナーです。