実は、胃腸が大変に弱い。
誰でも頭痛持ちとか気管支が弱いとか鼻がアレルギーとか、いろんな箇所に弱点があるのだろうと思うのだが、自分の場合それは「胃腸」である。とにかく、すぐおなかが痛くなるのだ。薄々気づいてはいるのだが、緊張や高揚感など、メンタルから来るものもけっこうあるのかもしれない。
胃の場合は、だいたいが「食べすぎ」や「食べるの早すぎ問題」に尽きる。昔、北海道の有名なお菓子マルセイバターサンドを初めて食べたとき、そのあまりの美味しさに衝撃を受けた。なんじゃこれ! なんじゃこれ! ごっついマルセイバターサンドを一気に3個食べたところ、苦しくなり急性胃炎に倒れたことがある(阿呆ちゃうか)。だが、後悔はしていない。次からは1日1個、3日で3個だ。ちょっとトラウマやけど、本当に美味しいのだ。
たぶん、胃が小さいのに食い意地は張っているのだと思う。食べたいという気持ちがどうしても先行してしまう。昔は、消化促進作用がある、ということでしょっちゅうセージティーを飲んでいた。今はおとなしく◯正漢方胃腸薬にお世話になっている。
だが、胃よりも腸の不調のほうが状態は深刻だ。端的に言うと「ゆるい」。便秘で悩んだことはあまりないし、何ならバリウムを飲んでも下剤は一粒だけで、自宅に帰り着くまでかなりドキドキである。
困るのは、電車や車で移動中に「唐突におなかが痛くなるとき」だ。これは稲妻のように突然訪れて待ったなしなので、本当に脂汗と冷や汗を同時にかく。つらい。苦しい。だが、言霊に惑わされてはいけない、まだいける、腹痛の波は1回目だからいったんは収まるはず、などと心の中でブツブツ言いながら、なるはやでトイレに駆け込んでため息、というのが定番だ。
この「もうアカン」感、一度はみな経験したことがあるだろう。だが……これがしょっちゅうなのがツラい。電車で通勤中は駅のどこにトイレがあるのかすべて熟知していたし、今でもカバンに入れて持ち歩く薬の中に◯トッパは必ず入っている。安心感が違うが、もうちょっと安いといいなあ。
あーめんどくさい。だが、ヤツはいつ唐突に襲ってくるかわからないから始末に負えない。今からでもよいので、丈夫な腸をください。