観劇日:11/4 マチネ、12/2 マチネ、12/22 マチネ、1/17 マチネ
※作品全体の感想ときどき男性アンサンブル森健心さん※
はじめての[秋]劇場!自由劇場行ってたから道に迷わずたどり着けました。キャナルシティと同じで商業施設の中にある劇場だから開場までカフェとか入れて快適でとても良い。11月はJCSの時に時間なくて行けなかった珈琲館でホットケーキ食べれたの嬉しかったな。キャナルシティもそうだけど商業施設の中にあれだけの舞台が入ってるのってやっぱりすごいし、自由劇場に並んでロビーがおしゃれでかわいいのも。キャストボードがデジタルなのは今回初めてだったんだけど、液晶って写真に撮るの難しいな…。なかなか良いのが撮れなくてめちゃくちゃ試行錯誤しました。
ウィキッドも予ベルがすごく良くて「いよいよだ~!」って思ってドキドキした。キャッツでもJCSでも思ったけど、作品主義というだけあって世界観へ惹き込むためのこだわりが細部までしっかりあってとても良い。幸せ。
No One Mourns the Wicked『グッド・ニュース』
はじまりの一音目が重くてめっっっっちゃ鳥肌が立った…。初観劇までに2023版のPV何度も何度も観てたんだけど、あの曲いきなり来るんだ!って驚いちゃって。初見の時、開演前に下手のドラゴン時計横に人が出てきて何事?って思ってたらあの音圧だし、ドラゴンめっちゃ動くし、おまけに猿っぽい何かがあっちからこっちから出てきて最前列の目の前までターザンみたいにしてるしで内心パ二くりまくりでキャッツ初見のブーツ落下くらい驚いてしまった。私が観てたの2階席だったけど1階席の前方とか迫力凄そうだから大阪公演ではぜひとも座ってみたい。
この曲はじまりの「グッド・ニュース!聞け!」の部分の圧が凄すぎてめちゃくちゃ好き。2度目の鳥肌たった。ここの入り本当に好きすぎてCD買ってから何度も何度も聴いてる。CD出てて本当に良かった。キャッツもそうだけど観劇の後にCD聴きながら頭の中で思い出を嚙み締められるのが最高すぎて本当にありがとうございます(ところでJCSのCDはいつ出ますかね?とっても楽しみにしているんですけど…)。あと、2回目くらいで気づいたんだけど、ここ冒頭でカラーテープ飛んでたんですね。1階センターブロックにいた人羨ましい…私もいつか手に入れたい…。
はじめましては中山さんグリンダ。グッド・ニュースで群衆が「恐ろしい魔女、悪者は消え去る、俺たちみんなの敵は死んだ!」って凄い重々しく歌うのに、グリンダ登場した時に「みんな私に会いたかったのね~!(群衆の反応を観て)ウンウン、私もよ~!」て台詞で出てきてちょっと拍子抜けしちゃったんだけど、その後にウィキッドを語るあの歌声に圧倒されました…。最初は気づかなかったけど、ウィキッドに対する歌詞で、グリンダは「あの子」や「消えていった」て思い出のように語っていたんだね。群衆は魔女の死を喜んでいるけどグリンダはエルファバと過ごした時間を持った上であの冒頭だったなんて…2回目に全部知って観ているとグリンダの歌い方がとても悲しそうだった。切ない。あとここは観れば観るほど複雑な気持ちになってしまうところ…。エルファバのお母さん、お父さん、若かりしオズ陛下。面白いシーンではあるんだけど“全ての元凶”であることを考えるととても許せない気持ちよ…。このシーンで緑色で生まれたエルファバが醜いと言われていたのを、どこかの国では“嫉妬は緑色の目をしている”みたいな言葉があるってのを聞いたことがあったから、エルファバの緑色の肌は母親の不貞を現したものなのかと思っていたんだけど、でも目の色ではないし、魔法のお酒が緑色だからお酒を介して不倫していた二人の子どもを示しているだけなのか結局よくわからなかった。エメラルドシティーがあるのになんで<緑色>があんなにも蔑まれてしまうのか、私はなかなか考察するまでに至れませんでした。
初観劇の時は安倍大夢さんが男性アンサンブル5枠さんだったんですけど、開演前はプログラムを読まないという自分ルールのせいで11/4は安倍さんのお顔がわからなくて動線全然追えなかったんですよ…。開演後に気づきました。そういえば安倍さんの顔わからなくない?って。ちょっと悲しみでした。
そして12/2にいよいよ念願の森さんの出演に巡り合えました~!!めっちゃ嬉しい~!!11月の安倍さん見失いの反省を活かしてね、森さんの出演に巡り合えたら次こそは5枠さんの定点を成し遂げるぞ!と思って過去公演のアンサンブルさんの立ち位置を詳しく説明してるブログを参考にさせてもらいました。おかげさまで、無事に森さんの演技を堪能できてとてつもなく幸せでした!
5枠さんの衣装はキャスケット帽を斜めに被って茶色コートを着ている。幕が上がった時は真ん中→最初の方で上手バルコニーの梯子上って振り返りながら歌う→舞台奥側でグリンダを迎えて以降は下手奥多めだったと思う。グリンダがシャボン玉装置で出てきたとき、森さんが眩しそうに見上げて縋るように手を伸ばしていたのがとても好きだった。群衆にとってグリンダが光であることが感じられて、森さんの表現とても好き。あと、5枠さん途中からシャボン玉装置のロックをかける役割になっていたのをみて、JSCに続いて縁の下の力持ちというか、見えにくい場所だけどその役割がないとシーンが成り立たないって役をされている森さんがとても素敵で嬉しかった。そしてこれ一番重要なことなんですけど、素顔の森さんを拝見するの今回が初めてなんですよ!キャッツもジャポネスクもがっつりメイクされていたからアー写のままな森さん初めてでした!素顔の森さんも素敵~😊と呑気に喜んでいたら、このナンバーもそうだし、その後もずっと相変わらずの素晴らしい表現力で終始心臓鷲掴みでした。とてもとても好き…。
1回目は深く考えずに観ていたけど、2回目で歌詞とか物語を理解した状態で観てると『グッド・ニュース』って本当に重々しさが凄くて、グリンダは一体どんな心境でいたのか。エルファバのことを歌うとき、三井さんも真瀬さんもどちらのグリンダも表情が切ないように見えていたから毎回何とも言えない気持ちになってた。でもオズの国の人からしたら悪が滅んだことを喜ぶんだよなって、だから「グッド・ニュース!」ってみんな喜んで歌っているんだよなって…考えたらすごく悲しい…。ウィキッドは「正義」も「悪」も視点を変えればどちらにもなり得るって内容だけど、両親のこととかを思うとエルファバは登場人物の中で一番割に合わないというか巻き込まれているように思えて切ない…。フィエロとのこともハッピーエンドのように見えるけど、たった二人きり、案山子と緑色の魔女が心安らかに暮らしていける場所があの世界に本当にあるのかな…。
Dear Old Shiz『シズ大学(校歌)』
The Wizard and I『魔法使いと私』
What Is This Feeling?『大嫌い!』
Something Bad『言葉奪われる』
エルファバのはじめましては小林さん。新しい世界に触れて夢いっぱい!って輝くような笑顔で登場したんだけど、校歌の後の反応が我が強すぎてちょっと笑ってしまった。お父さんのネッサローズとの対応の差が酷過ぎて現実だったら絶対許せないんだけど、エルファバがそんな環境の中でも逞しく優しく(ちょっと捻くれてるけど)育っていたのが、フィクションなんだけど良かったなって思った。『魔法使いと私』の時に、小林さんのエルファバも三井さんのエルファバも自分に関心を寄せてくれる存在に本当に嬉しそうにしていて、誰よりも“オズの魔法使い”を信じていて、だから後の『ワンダフル』であの展開になった時がすごく辛かったな…。
ディラモンド先生の授業で黒板にオズ史?らしきものが書かれていたのがとても気になる…大干ばつの後に一体何が起こったのか…。物語の本筋はエルファバとグリンダだけど、オズの国のあの世界に至るまでの背景とか近隣国とかの関係性がどうなのかとか、そのあたりを調べてみるのも楽しいかもしれない。あと、エルファバとディラモンド先生がおひるごはん半分こした時にエルファバは食べてるふりみたいだったけど先生はがっつり紙食べてたよね?あの後すぐ歌に入ってたからどうなってたのかこっちもとても気になった。オブラートとかだったのかな?
学生姿の森さん~!!白地に紺ストライプの制服がとってもとってもかわいい~!!トランクケースを持って登場してたけど何もかもが似合いますね!めちゃくちゃかわいくて格好良くて本当に最高です…。好き…。エルファバ登場のときに意地悪な顔してたり、女の子と楽しそうに話していたりで、表情豊かなところをたくさん拝見できてとっても新鮮で最高って思いとエルファバに優しくしてあげてほしい思いでちょっと複雑…。ディラモンド先生の授業でレポート返ってきたときに近くの人に配ってあげてたのがなんか好きで、学生っぽい仕草にトキメキと感動が押し寄せました。
そういえば、グリンダって“良い人”であることにこだわりが強いなと思っていたんですけど、部屋自慢あたりの「あなたって良い人ね!」の台詞に強く反応していたなと感じて、もしかして家族や近しい人にわがままを聞いてもらえるくらいには愛されて接されていたけど、誰かの憧れになるアイドル的な立ち位置になったのは初めてで承認欲求が生まれてしまったのではないか?なんて思っていました。『ポピュラー』でも「人気者になりたいはずよ女の子ならば」って歌っているし。その後の場面でも“良い人”であることを強調したり、フィエロとの婚約でも自分が幸せの象徴にならなきゃって強迫観念のように思いこもうとしていたり、エルファバとベクトルは異なるけど愛されることを求めていた人だったなと感じました。でも、マダム・モリブルがグリンダに「あなたは良い人ね」って言った時に、その頭に“都合の”っていうのが透けて見えて、なんかもやもやしていたら後半で本性現れて、マダム怖すぎ…て思いました。
Dancing Through Life『人生を踊り明かせ』
ここからウィキッドの中で一番好きなダンスになるんですけど、森さんがこの振付踊られてたら最高すぎて私が大変なことになる…と思っていたら無事最高すぎて私の情緒が大変なことになりました。本当に素敵で最高すぎて…森さんこの役を演じてくれてありがとうございました…。
フィエロの歌い出しのところ、最初は寝そべって(くつろぎスタイル?で)フィエロをこっそり覗き見つつ本を読んでいるんだけど、その後すぐにくるっと半回転くらいしながら座る姿勢になる動きがあって、その起き上がり方が《スッ、ピタッ!》って感じで体が全然ブレないの凄かった。本当に体幹強くて動きの一つ一つが洗練されて格好良い…好きです…。このナンバーの踊り方がキャッツでもジャポネスクでも見たことない感じだったからとにかく新鮮でめちゃくちゃ刺さりました…。女性アンサンブルさんとペアになってのダンスが多いから、リードしている森さんの表情もたくさん拝見できて、その表情が本当に本当に素敵でたまらないんですよ…!森さんまだお若いと思うんですけど、舞台に立っているときの貫禄というか、ゆったりとした余裕が常にあって、力強く悠々と構えていらっしゃるところが本当に大好きなんです。森さんの表情でいうと、「楽しく踊ろうよ」らへんを歌っているときの上手側で、ネッサローズの車椅子に手をかけた流れでネッサローズの顔をちゃんと見て笑いかけているところを見かけて心臓がどうにかなってしまいそうでした…。もう森さんの一挙手一投足の何もかもが好きすぎて頻繁にどうにかなっている私です。12/2の時にその場面をみて最初は私の幻覚が生み出したのかと思っていたんですけど、12/22にもみれたので嬉しすぎて観劇後に「夢じゃなかった…!」て心の中で大盛り上がりでした。おもわず、素敵な男性はボックだけじゃないよネッサ…て伝えたくなってしまった。
ダンスホールに場面が移ってからがまた森さんの最高・素敵・格好良い尽くしなんですけど、ひとまずネッサ&エルファバの場面に切り替わるときにやられます。舞台奥と手前で上下からそれぞれに奥下手から5枠さん、手前上手から3or8枠さんがペアで踊りながら舞台を横切っていくんですけど、森さんスマートすぎてめちゃくちゃ格好良くてここ大好きなところです。ダンスホールの振り付けって何て言うのか用語がわからないんですけど、しなやかで綺麗で本当に格好良くて一挙手一投足全部が大好きで…。衣装もとっても似合っていて本当に素敵です。だけどこのシーンはエルファバが出てきた時が本当に辛くて情緒が死ぬ。だってグリンダが軽い気持ちであげた帽子を抱き締めて喜んでたんだよ?きっとそれまでプレゼントなんて貰えたことがなくて、しかも目の前で妹にだけ何でも与えられてきて、あのグリンダからって思いつつもすごく嬉しかったんだと思うと辛すぎて無理。でもグリンダがすぐに思い直してエルファバと歩み寄れたからまだ救われたかな…。あと二人の距離が近づく表現が言葉を交わすことじゃなくてエルファバのダンスをグリンダが繋げてホールの皆にも広がって最後にエルファバを中心にして終わったのも救いだった。エルファバが笑顔になれていたことに泣いた。
そしてここ4回目で気づいたんだけど、ボックとネッサの拗れた一番の要因なんじゃ?というのが、ネッサがボックの問いに「哀れみの気持ちでも嬉しい」って言ったことに対して「君は素敵な人」って返したの最初はボック優しいじゃんと思ってたのに実際はフィエロとグリンダの仲睦まじさを見せつけられた当てつけにネッサを褒めてただけっぽかった。ネッサは育ってきた環境からみても優しくしてくれたボックに傾倒するのはしょうがないとしてもボックのそれは酷いよね。グリンダに片思いしてるのは勝手だけどネッサを手段の一つとして見てるのがダメ。許さん。さらに元を辿るとグリンダがボックをあしらうためにネッサにけしかけたのも正直もやもやするけど。「たいしたもんだ」って言われたときに「何のこと~?」ってとぼけてたから確信犯だと思うし…でもグリンダ好きだから憎めない気持ちもある…うん…。ウィキッドは観る度に色々な視点を持てるから本当に良い作品なんだけど情緒がめちゃくちゃ持っていかれる。でもやっぱり好き。
Popular『ポピュラー』
I'm Not That Girl『私じゃない』
情緒が大変なあとのかわいい二人。『大嫌い!』の歌詞でエルファバがグリンダのこと「おバカ」って言ってたの申し訳ないけど納得してしまう愛すべき…なグリンダ。グリンダの元気の良さに引っ張られてエルファバが思わず笑顔になってしまうのがとても尊い。回数重ねて観てるとここの平和さに涙出てきちゃう。エルファバが母親のこともネッサのことも自分のせいだって思い込んでいることに対してグリンダが素直に思っていることを伝えてくれてよかった。グリンダは良くも悪くもオープンなところが気を使われているって感じなくてエルファバも素直に受け入れられたんじゃないかなって思う。まあポピュラーの歌詞はかなりの押し付けがましさがある内容だけど…その後のフィエロと対比してるから良いのかな?グリンダが教えたときの「キラキラ~」には投げやりなのに次の日に頑張ってキラキラしようとするエルファバがかわいいね。カイサーさんフィエロのときキラキラの真似が行き過ぎて「キラキラ!キr、グフッゲホゲホ…フフッ」て思わず吹き出してたのこっちもつられて笑っちゃいました。
ここまでそこそこ平和だと思っていたのに不穏な様子も見えてきたから初観劇では先の展開が全く予想できなくてドキドキしてました。そしてエルファバの本心が垣間見えて切ない…「こんな姿じゃなければ」って思わないはずないんだよね…エルファバはきっとフィエロが「そのままの君でいいのに」って言ってくれたときからフィエロに気持ちが向いてて、無意識に魔法に巻き込まないようにしていたんじゃないかな。友達ができたことも初めてで、恋をしたことも初めてで(でも恋敵は唯一の友達)、エルファバの心が広がっていくのが嬉しい。不穏はちょっと置いておいてもう少し学園生活を観てみたかったな。
One Short Day『エメラルドシティー』
YouTubeで何度もみた夢のエメラルドシティーだ…!冒頭から視界に映る全てが美しすぎて混乱してしまう…!エメラルドシティーの衣装本当に素敵で大好き。衣装の設定画とか出ませんかね?ここ両アンサンブルさんもエルファバもグリンダも皆さん素敵な衣装で本当に好きなんですけど、特に5枠さん!!森さんの衣装が!!ファー付ロングコートにシルクハットに皮手袋に杖ですよ?!優雅すぎて本当に素敵で格好良くて好き…しかもこんなに優雅でブーツがレオパード柄だしスラックスもおそらく派手めな柄でヒラヒラなギャップが更に良い…衣装だけじゃなくて立ち振る舞いも優雅そのもので本当にもう素晴らしすぎる表現力…私に刺さりすぎる…。ターンする度にコートの裾を翻す姿が美しいのなんのって。アクスタに5枠さんの柄があったら5体くらい揃えるまで買っていたかもしれない。大阪公演で出てきたら大変。でもこの曲4分もなくてすぐに終わってしまうの悲しい…。夢と希望に溢れた時間があっという間に終わってしまうの…。あんなにキラキラしていたのに…。
A Sentimental Man『センチメンタルマン』
Defying Gravity『自由を求めて』
エメラルドシティーでとてもウキウキしてたんですよ、エルファバ&グリンダと一緒に私も。二人の幸せな時間がやっときたのかなって。まさかまだ1幕であの展開が来るなんて思わなかったから休憩時間のダメージが凄まじかったです…。私は陛下とモリブル先生絶対許せんって思うけどそれはエルファバの目線に立っているからでオズ市民からしたらエルファバが許せん対象なの辛…。モリブル先生のプロパガンダかなりえぐいわ。モリブル先生って一貫して自分の利益しか考えてないから生徒を裏切るという思考にならなくてすぐさま行動できちゃうのがね…。4回目の観劇で『自由を求めて』が流れ始める前の三井さんエルファバの表情しんどかった…最初は怯えて泣きそうだったのに諦めてしまった表情になったとき観ているのが本当に辛かった…。私的には最後の『あなたを忘れない』よりこっちでめちゃくちゃ泣いてしまう…。グリンダと二人で手を取り合って「二人ならできるわ!」って言ったのに、あのとき手を離さずに二人で逃げることができていたらどうなっていたのかな。私に創作の才能があったらさらなるifストーリーを考えていたかもしれない。
余談ですけど、ここで護衛兵として出てくる森さんめちゃくちゃ格好良くて素敵。ウィキッドはソロの台詞がなくて唯一ここで「はっ!」て掛け声が聴ける。凛々しくて大変格好良いです。
No One Mourns the Wicked(reprise)『魔女が迫る』
Thank Goodness『この幸せ』
2幕ここからどうなってしまうのかハラハラして幕が開くのを待っていたら、まさかのエメラルドシティー衣装の森さんが上手前面まで出てきてるじゃないですか…?!私ウィキッド全回2階席だったんですけど、この場面観るためだけにセンターブロック上手寄り最前に座ってみたい…!!5枠さんに大感動の反面、『自由を求めて』の終わりに続く音楽なのにオズ市民が魔女(エルファバ)を糾弾しだして物語的にはかなり辛い。というかグリンダなんでそこにいるの?あの場にいたはずなのにって思っていたらフィエロの言葉でなるほど納得。エルファバは動物に、グリンダは人の側に立ってしまったんだなと。フィエロがグリンダに「君だって皆に愛されたいんだ!」ってエルファバを見捨てたように責めたけど、それはフィエロがエルファバに好意を寄せたからそう感じただけで、エルファバが優しくしてくれたディラモンド先生寄りに動物たちのために動いたように、グリンダは愛してくれる人たちのために動いていただけだったんだな(プロパガンダはあれどエルファバが人々の脅威として映っているのは事実だし)。グリンダだってエルファバが友達なことに変わりはないし、フィエロの態度に焦りがあるから“幸せだわ”って歌っているのに表情がずっと苦しそうだったよ…。
The Wicked Witch of the East『総督の椅子』
Wonderful『ワンダフル』
I'm Not That Girl(reprise)『私じゃない〜リプライズ』
ネッサローズどうしてこうなってしまったのか。「何もかもエルファバのせいよ」って責めてたけどどう考えても父親のせいよ。あと3割くらいボックのせいよ。本当にどうしてこんなことに…。ネッサローズの立場はきっとエルファバとは違うベクトルで辛いものだったと思うけど、エルファバがネッサを想う気持ちは決して嘘や哀れみではなかったはずだからもっと沢山の話をしてほしかった。負い目とかなく姉妹として幸せに過ごしてほしかったよ…。
「私はワンダフル」じゃないんだよ!でもオズ役の鈴木亮太さんめっちゃ素敵なおじさまでまたしても情緒がぐちゃっとなる…!明戸さんは申し訳ないけどちょこちょこムロ◯ヨシに見えてしまって気が抜けてしまう…すみません…。ここで和解ルートくるか?って少し期待したのにディラモンド先生出てきたところどうみてもホラーじゃないですか…。落とし方が急すぎて心臓に悪い。
展開えぐいけどここのダンスパーティで登場する森さんもめちゃくちゃ素敵なんですよ。護衛兵の衣装から外套と帽子を変えてるのかな?騎士服ぽくてとっても王子様な素敵な姿。ドレス姿の女性アンサンブルさんに対して森さんのリードが美しすぎて大好き。
As Long As You're Mine『二人は永遠に』
No Good Deed『闇に生きる』
March of the whitch Hunters『魔女を殺せ』
フィエロと結ばれたことがわかってからのエルファバ、小林さんも三井さんもとびっきり美しくなるの凄すぎません?元々素敵なお二人がエルファバのあどけなさをこれまで演じてきて、愛を得た途端に輝き出すのとんでもない表現力じゃないですか?!そしてフィエロもぐっと男が増していてエルファバへの愛が強い。富永さんフィエロは一生懸命守るよっていう可愛らしさがあるんだけど、カイサーさんフィエロはキスとか触れ方が王子様すぎて、なんか…私達観客が二人の愛を覗き観ていてもいいのかしらと照れてしまう…。グリンダを思うと悲しいけど、エルファバにはこれまでの人生を振り返らなくていいくらい沢山の愛を受け取ってほしい。受け取ってほしかったよ…。
モリブル先生って物語で一番冷徹なのでは?命を奪うことをそんな簡単に実行できる?直接手をかけた訳でないとしても実の生徒だったネッサローズに対してさ。大分壮絶な現場なんだけどここでエルファバとグリンダが喧嘩しだしちゃうの何回観ても笑ってしまって、ネッサごめん。グリンダはあの長い杖ぶん回せるセンスがあるけど、エルファバはほうきを出したり引っ込めたりするしかできないの喧嘩慣れしてなくてかわいい(現実逃避)。あとここでグリンダを担いで避難させるの森さん護衛兵なんですよ。グリンダ降ろしたあとにお辞儀してるのもかわいいですね(現実逃避)。どれだけ現実逃避してもこの後の展開しんどいな…。エルファバはもちろんのことグリンダもこんなはずじゃなかったって後悔が凄まじいのでは…?ほんの少し嫉妬の気持ちで言っただけなのに、ネッサローズは死んでしまってフィエロは拷問されて魔女狩りが過熱してしまって。ここの群衆を演じられる皆さん恐ろしすぎて本当にすごいですよね。私は森さんが出演してるとずっと定点しちゃうんですけど、魔女狩り隊の森さんの狂気に満ちた表情凄すぎました…。キラキラ明るい学生さんに優雅で美しいエメラルドシティー紳士に王子様な護衛兵の姿を経て、一周回って物語冒頭の群衆なんだけど、冒頭と違って悪い魔女への憎しみが強くてそれを表現している森さんの“目”というか“視線の投げ方”がめちゃくちゃ強い。一つの作品の中でこんなに印象を変えて演じられるの本当に素晴らしいと思う。観る度に好きになる素敵な俳優さん。
For Good『あなたを忘れない』
Finale『フィナーレ』
これまで自分の信念に従って力強く進んできたエルファバがフィエロとの愛を選んでグリンダに夢を託すの…。『あなたを忘れない』の歌詞がとても綺麗で大好きな曲になった。エルファバのことを“小舟を誘う風のよう”や“花の種を運ぶ鳥のよう”で、グリンダは“せせらぎを分かつ岩のよう”や“砂の山流す波のよう”と互いに歌っているの、誰かのために必死になれるエルファバの優しさと人の前に立って導いていけるグリンダの強さが表現されていて、お互いにお互いを大切な人だと想い合ってる温かさがじんわり胸に染みてくる。だけど、二人が永遠に共にあれないお別れの歌でもあるから涙も滲んできてしまう。真瀬さんグリンダのとき多分本当に涙が出ていたんじゃないかな…?そんな歌い方だったように思う。最後にチステリーがグリンダに本を渡すとき、エルファバが世界に立ち向かったことの意味がちゃんと残ってて良かった。チステリー段々かわいく見えてくるね。
フィナーレに向けて色々な問題が解決していくけど私は誰ひとりハッピーエンドになれなかった終わりだと思ってる。でも真実を知らなければオズ市民が一番幸せな終わりなのかな…?ウィキッドの物語の良さは「悪い魔女にも良いところがあるんだよ」じゃなくて、「どの立場の人にも良い面と悪い面があって、一方から見るだけではなくて他方から見てみることにも気づいてほしい」って伝えてくれるところなんですね。前者の話だったら多分ここまでこの作品にハマってなかったかもしれない。お稽古写真から森さんの出演を知って慌ててチケパトしだしたけど、作品と出会えて好きになれて本当に嬉しい。関わってくれたキャストさん、スタッフさん全てに感謝します。素晴らしい作品を届けてくれて本当にありがとうございました!
カーテンコール
最後にキャストさん皆がニコニコで出てきてくれて本当に嬉しい〜!!ネッサローズとボックが手を取り合って笑い合ってくれるのが本当に本当に救われるわ…。キャラクターとしてはエルファバ父とモリブル先生とオズ陛下とボックが許せんって思っちゃうけど、それだけ熱演して役に引っ張り込んでくれる俳優さんは本当に素晴らしいですね。
格好いいのにあどけなさもある小林さんエルファバ、可愛らしいけどなかなか我の強い三井さんエルファバ、お転婆してるけどふとお姉さんの顔をみせる真瀬さんグリンダ、天真爛漫に底抜けに明るくて引っ張ってくれる中山さんグリンダ。他にもフィエロ、ネッサ、ボック、先生たちに陛下にアンサンブルさんに沢山の組み合わせで色々な表現や解釈を与えてくれたウィキッドカンパニーの皆さまに改めて心からの感謝を!!
大阪公演でも沢山観劇できるといいな!そしてきっとプログラムで東京公演のお写真が使われていると思うからそれもめちゃくちゃ楽しみ!