〇〇力という言葉を使わないようにしている話

やむ
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多様化する◯◯力

営業力、技術力、傾聴力、思考力、内省力、共感力、創造力・・・世の中にはたくさんの〇〇力で溢れていて、そこに対して疑問を持つ人は少なく、それが「普通」だと受け入れられている。

◯◯力の功罪

抽象化によって人間は他の分野にも応用できると考え、科学や文明を発展させてきた。これは紛れもなく◯◯力のような抽象化によって享受できたメリットである。

その反面、「◯◯力が大事」のような知識の伝え方をする人や書籍が存在していて、具体的な解説を避けられるようになってしまっている。「◯◯力」という言葉を見たり、聞いたりした時「その◯◯って具体的にどういう性質で、どういうマインドセットで、どういうスキルなの?」と考える。

おそらくそれらをまとめて一括りにして総合的に判断したものを「◯◯力」と捉えているのだろうが・・・そこの詳細を聞いても大抵の場合2個3個の例が返ってきて「・・・とかね」で終わる。つまり、その程度でしか「◯◯力」を分析できていないのである。

それに加えて「◯◯力」は抽象的概念であることから、認識の差異が大きく生まれやすい。一口に「マネジメント力」と言った時に、ある人は「恫喝して恐怖を与えることで相手をコントロールすること」がマネジメント力であると考えるかもしれないし、「相手に寄り添い、支援をすることで相手の持つ価値を最大限に発揮できるようにすること」がマネジメント力であると考えるかもしれない。これは「マネジメント」という抽象的な考え方に潜む問題のような気もするが、本質部分は同じであると考えている。

これが「◯◯力」という言葉における副作用であり、「◯◯力が大事」と認知した瞬間に理解した気になってしまう。その結果、学んでいたはずが「◯◯力」というものを大量に収集だけになってしまい、具体的なスキルは身につかず成長が留まってしまう、ということが発生する。

日頃から◯◯力という言葉に気をつける

自分は極力◯◯力という言葉を使わないようにしている。しかし、ノートで複数のスキル・マインドセット・行動特性をまとめるときは「◯◯力」といったまとめかたをしている。これが本来の「◯◯力」の使い方であると考えていて、一口には言えない複数の概念やスキルの集合体であることから、「◯◯力」という言葉を使う時は同時にその集合群を共有するように心がけている。

自分の周りに◯◯力を多用する人がいるとしたら

ぜひ◯◯力の正体を確かめるべく問いてほしい。あまり答えが返ってこない場合は、経験やなぜそう考えるのかの言語化を手伝い、◯◯力の解像度を高めることによって、あなた自身の学びに繋げていってほしい。

@yum3
『対話』を大切にしているWeb Developerです。技術力はありません。へっぽこです。