少し前に、Bauer Liteというキーボードを買った。このキーボードは届いてすぐに使えるわけではなく、ユーザーが好みのパーツを組み合わせて完成させるタイプ。簡易的なキットではあるけれど、自分にとっては初めてのキーボード組み立て体験だった。せっかくなので、一連の作業を記録しておきます。
Bauer Liteとの出会い
このキーボードを知ったのは今年の1月、SNSでX-Rayというキーキャップを見つけたのがきっかけ。透明な層と白い層の二重構造で、ダブルショットの文字が影として浮き出て見える。う、美しい…。
よく見ると、セットされているキーボードもかっこいい。OMNITYPEというアメリカのブランドのもの。これがBauer Liteとの出会いで、人気で在庫切れだったのがちょうど復活したタイミングだった。
当時使っていた2種類のキーボード(Lofree FLOW、Nuphy Air)はどちらもロープロファイル。気に入ってはいたものの、キースイッチやキーキャップの選択肢が少なくカスタマイズ性にやや物足りなさがあった。どんなキーキャップとも合いそうな透明ケースは便利そう…価格も手頃だし…と自分に言い聞かせながら購入に至った。
ちなみに待ちに待ったキーキャップはちょうど昨日発売され、こちらも無事ゲットした。早く実物が見たい。
そして着弾
OMNITYPEのサイトで注文後、すぐに発送してくれて一週間足らずで手元に届いた。2万円近くしたので配達前にDHLから輸入関税の請求メールが届き、オンライン上で支払った。確か3千円くらい。こういう経験は初めてだったのでちょっとヒヤッとした。
組み立て準備
箱の中身。赤い冊子はビルドガイドで、説明図が分かりやすくかなり助かった。基本これを見て作業すれば間違いない。
別途準備したものは以下。
スイッチプレートフォーク
OMNITYPEでキーボードと一緒に購入。YouTubeでこれを使って組み立てている人がいたのだけど、結局使わないでいけた。
Durock スタビライザー
アリエクのDurockストアで購入。US配列キーボードはスペースキーの横幅がたいてい6.25uだけど、Bauer Liteはちょっと長めの7u。スタビライザーもその長さに合わせる必要があるため、購入時は注意が必要。
リペアスティック(マイクロアプリケーター)
スタビにルブを塗るには、筆を使うよりも使い捨てできるアプリケーターが良いとのことで探していたら、ちょうどいいのがダイソーで手に入った。
潤滑剤(ルブ)
潤滑剤はパーツによって種類を変える必要があり、スタビにはGPL 205という種類のものがいいらしい。今後も使いそうなので多めに10グラム購入。
ピンセット
ルブの塗布や、小さなシールを貼るなど細かい作業が多いので、あると重宝する。自前のものを使ったが、後からBauer Liteの中にも入ってたことに気付いた。
プラスドライバー
スタビライザーをPCBプレートに装着する際に使う。小さめの刃先だと尚良し。
まずはスタビから
Bauer Lite本体に早く触れたい気持ちを抑え、スタビライザーの組み立てから開始。Durockのスタビセットには小さなシールなどのパーツもあり、これらを使うかどうかは好みの問題っぽい。余らせても勿体ないので使ってみる。
太さ1mmくらいの細いシールは、押下した際にプラスチックパーツ同士がぶつかる部分?に貼った。多分合っていると思うけど、効果の程はわからん。
シールを貼ったらルブを塗布し、合計4キー分を組み立てた。ルブの塗り方はAlexander Medeotさんの動画を参考にした。ルブをたっぷりつけたワイヤーをプラスチックパーツにはめ込むのが難しく、もたもたしているとせっかく塗ったルブが指で拭き取られてしまい、手がベトベトになるという地味に辛い作業だった。
PCBプレートに装着
下準備が終わったので、やっとBauer Liteとご対面!ここまでで約1時間半かかっている。
まずはスタビに付いてきたシールをまた見よう見まねで貼ってみる。ワイヤーの衝撃を緩和するための横長シールは不要だったので後で剥がすことに…。
その上から、組み立てたスタビをドライバーで装着。パーツをしっかりプレートに押し込まないと、下の写真の右側のように隙間ができてしまうので気をつけなきゃだった。
裏はこんな感じ。紙でできた赤いワッシャーも一応つけた。
プレートとキースイッチ
Bauer Liteはバックスペースキーの部分を2つのキーに分けて使うこともできる。自分は1つのバックスペースキーとして使うためにスタビを装着済なので、プレートのスプリット部分は切り取った。上の写真は切り取る前。
PCBプレートの上に、密度の高いスポンジのようなプレートフォームを敷き、その上から透明なプレートを乗せてネジでとめる。これは簡単!
スイッチは楽しくポチポチ装着。使ったのはOutemuのSilent Cream Yellowという静音タクタイル。ちょっと重めで本っ当に無音。
ケースを組み立てて完成!
ついに最終フェーズ。ここまでで3時間ほどかかって結構疲れてきた。音楽やラジオ、ながら見できる動画とかをお供にしてたから楽しいけどね。
ケースはトップとボトムに分かれた構造。まずトップ側に小さいキノコみたいなパーツ(公式ではドーナツバンパーというネーミング)を装着する。
次にボトム側。ゴム素材の黒いシールを貼っていく。USB Type-Cのソケットがついたパーツをネジで装着。
トップとボトムの間にプレートを挟み、裏からネジをしめたら完成!
滑り止めのシールも貼った。
キーキャップはX-Rayに思いを馳せて、透け感のあるミントグリーンの層と白いPBTの層が重なっているものを選んだ。これもアリエクで購入。しばらくして遊舎でもホワイトバージョン(こちらも所持)が取り扱われると、すぐに在庫がなくなっていた。かわいいよねー。
作業を終えての感想
めちゃくちゃ難易度の高い作業はなかったけど、1つ1つの作業が細かいので慣れていないと時間がかかる。休日まるっと使う気持ちで挑む必要あり。
はんだごてが必要ないので気軽だし、組み立てた達成感はあるので完成品に愛着が湧く。とても。
ルブすることでこんなにも滑らかな打鍵感になるなんて、感動。キースイッチ自体のルブにも興味が出てきてしまった。
ということで初めてのキーボード組みでした。キースイッチのルブにも挑戦したら、また書こう。