ドラクエ・チャンピオンズがサ終したらしい。
全く名前を知らなかったのだが、どうやら
ドラゴンクエストの
ターン制コマンド選択式の
バトロワゲーム(!?)
らしい。
要するに、ApexやPUBGの、銃ではなくRPGのコマンドバトル版である。
うん。サ終して当然だ。
わざわざ遊ばずとも、ニーズが迷走しているのは火を見るより明らかである。
ドラクエを遊びたいプレイヤー層と、最後の一人になるまでプレイヤー同士で戦いたい層の噛み合わせが悪すぎる。
たとえ同じプレイヤーであっても、ドラクエを遊びたい時と、バトロワを遊びたい時とでは全く異なる気分のはずだ。
僕はバトロワゲームであるApexをよく遊ぶが、その一方でにゃんこ大戦争のような地道に育成していくスマホゲームも遊ぶ。しかし、にゃんこ大戦争にバトロワのようなPvPが実装されても、確実に遊ばないし要らない。
いちいち説明せずとも分かる、極々簡単な話である。
しかし、僕はつい最近まで、同じ失敗を続けて悩んでいた。
今回はその話をしてみよう。
やや下世話な内容になるので、苦手な方は今のうちにページを閉じてほしい。
面白いエロゲ
度々書いてきたが、僕はエロゲを開発中だ。
しかし、エロ方面はすぐに定まったものの、ゲームシステムをどうするかで半年以上迷走を続けた。
ゲームとして面白いエロゲを作りたかったからだ。
「泣けるエロゲ」というフレーズを聞いて、懐かしいと思う人もいるはず。
月姫、Fate、AIRなどをはじめ、元々は自慰に耽るためのジャンルで、燃えや感動を促す質の高いシナリオでプレイヤーを魅了するエロゲは少なくない。
それらと同じように、エロとしてもゲームとしても実用性の高いゲームを作ろうともがいていたのだ。
理由は、単純に僕自身が面白いと思えるゲームを作りたいからというのと、そのようなゲームがあまり多くない(つまらないわけではなくエロに特化しておりゲームとしての体裁をなしていない)ため、差別化になると思ったからだ。
しかし、これも今思うと、ドラクエチャンピオンズの失敗と何も変わらない。
要は「ゲームとして白熱して楽しんでいる最中にシコりたいのか」、あるいは「シコってる最中に『面白いゲーム』で遊びたいのか」という話である。
僕が作っているのは、アクションゲームだ。戦闘アクション中にエロシーンがシームレスに挿入されるのが売りなので、戦闘中もガッツリとエロが絡んでくる。
そこでゲームとして面白くなると、どうなるか。
SEKIROで、生きるか死ぬかのヒリつく緊張感を楽しむような弾きアクション中にシコりたいと考える人が、果たしてどれだけいるだろうか?
必死になってマスをかいている最中に、ウィッチタイムのようなジャスト回避を楽しみたい人が存在するだろうか?
「泣けるエロゲ」も、基本的に泣けるシーンと抜けるシーンは明確に分離されているはずだ。
泣きながら抜けるシーンは、探せばあるかもしれないが少数派だし、ニーズというよりは色物扱いされていると思う。
僕は、そんなゲームを作ろうとするところだったのだ。
目線の違い
タイトルの伏線回収だが、これはプレイヤー目線を見失ったからこそ起きたことだ。
エロゲを遊びたいプレイヤーの目線を、完全に失ってしまっていた。
自分が作ろうとしているのと似たようなゲームを、何か一つでも遊べば解決する問題である。
試しに売上の多いアクションエロゲの体験版を遊んでみたら、エロとしての完成度が高ければ高いほど、シコるのに夢中になりゲーム性などどうでも良くなるし、むしろあるだけ邪魔とすら思えてくる。
性欲に支配された脳は、恐ろしく知性がない。
まどろっこしいことなど考えたくないのだ。
自分本位なゲーム開発も程々にしなければならないな、と思った。
確かに、自分が納得するゲームを作るのは大事なことだ。
しかし、プレイヤー目線を見失いすぎて、自分自身ですらお断りな程にニーズが迷走して行き詰まるようでは本末転倒である。
気をつけたい。