糸魚川旅行の思い出のどうでもいい部分

yunomi
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 あまり観光客がいなさそうなところに行ってみようということで糸魚川。糸静線で地名だけは馴染みがあるけど、一人じゃないとなかなか「糸魚川に行こう」とはならないかもしれない。けど東京から新幹線で行けてお手軽だし、フォッサマグナミュージアムあるし、フォッサマグナパークもある(パークは閉鎖中だった)。

 ひとしきり街をぶらついてフォッサマグナミュージアムに居座って、それはとても楽しかった。それで帰りはミュージアムの近くの長者ヶ原遺跡を見学しつつ山の中の道を通って街に降りようとした。

 そもそも入口からしてあまりまともな道には見えないけど遺跡がやたら開けているのでそんなもんかと思って進む。進むと普通の山道以上に人の痕跡がある道が出てくるので少し安心したがクモの巣がすごい。妙に整ってるけど滅多に使われない道っぽい。高速道路を渡る陸橋までは山道にしては広くて快適な道が続く。車両の轍もあるし。

 陸橋を渡った後は尾根伝いの道のはずが急に人の痕跡がなくなりだし、雨が降りはじめたこともあって急に不安になる。一応尾根伝いに道らしき凹みはあるしGoogle Mapでも道は表示されている。この道の写真を残しておくと思い出になりそうだなと思う反面、どの方向に100mいっても道に出るので迷いようがないもののかなり生命の危険も感じる。記念撮影して後悔したくないなという気持ちが勝ってそのまま足早に進む。

 山道は残りおよそ100m、『十二の曲がり』というランドマークのあたりに到達するとそこはもう道というよりは水無し川の様相を呈している。人が踏み固めた峠の道を水が流れて作ったかのようなかなり深い窪みが、その名の通りにグネグネと曲がりくねって続いている。尾根線なのになんでこんなことにと思いつつも雨が強まってここが川になったら嫌だなと思って先を急ぐ。そうなるはずはないのだけど実際そこは急流の跡にしか見えない。そのまま下りきって人里に出て振り返ると、来た道は道には見えなかった。さもありなん。

 尾根の左右には道があって、東側がどうやらメンテナンス用の車両などが通る道のようで、たぶん陸橋のあとのどこかに分かれ道があったのだろう。あったような気もするけど思い出せない。

 帰ってきてから考えると写真撮っておけばよかったなと思うものの、その時は本当に怖かったので撮らないのも仕方無いなと思った。意外と余裕なくなるものだ。