抱っこがいらなくなった日

yunon_phys
·
公開:2026/4/7

ゴミ捨ては、いつも子どもと一緒に行く。

小さなゴミ袋をひとつ持って、得意げな顔で歩く姿は、もうすっかり“お手伝い”ができる人のそれだ。

行きは手をつないで、帰りは抱っこ。

それが、いつの間にか当たり前の流れになっていた。

帰り道、少し甘えたように腕を伸ばしてくる。

それを抱き上げて、重さを感じながら歩く時間も、日常の一部だった。

でも今日は違った。

「歩いて帰る」

そう言って、手をつないだまま歩き出した。

エレベーターを降りると、そのまま勢いよくドアまでダッシュしていく。

振り返ることもなく、自分の足で。

その背中を見た瞬間、ふと気づいた。

ああ、また一つ、自分の役目が終わったんだな、と。

できることが増えていくのは、喜ばしいことのはずなのに、同時に、少しだけ寂しさも混ざる。

抱っこしなくても帰れるようになったこと。

それは成長であり、同時に「もう必要とされなくなった部分」が増えたということでもある。

きっと、これからもこういう瞬間は何度も訪れるんだろう。

そのたびに、嬉しさと寂しさを行き来しながら、少しずつ「親の役目」は形を変えていく。

@yunon_phys
カケハシ CTO