ゴミ捨ては、いつも子どもと一緒に行く。
小さなゴミ袋をひとつ持って、得意げな顔で歩く姿は、もうすっかり“お手伝い”ができる人のそれだ。
行きは手をつないで、帰りは抱っこ。
それが、いつの間にか当たり前の流れになっていた。
帰り道、少し甘えたように腕を伸ばしてくる。
それを抱き上げて、重さを感じながら歩く時間も、日常の一部だった。
でも今日は違った。
「歩いて帰る」
そう言って、手をつないだまま歩き出した。
エレベーターを降りると、そのまま勢いよくドアまでダッシュしていく。
振り返ることもなく、自分の足で。
その背中を見た瞬間、ふと気づいた。
ああ、また一つ、自分の役目が終わったんだな、と。
できることが増えていくのは、喜ばしいことのはずなのに、同時に、少しだけ寂しさも混ざる。
抱っこしなくても帰れるようになったこと。
それは成長であり、同時に「もう必要とされなくなった部分」が増えたということでもある。
きっと、これからもこういう瞬間は何度も訪れるんだろう。
そのたびに、嬉しさと寂しさを行き来しながら、少しずつ「親の役目」は形を変えていく。