自サイトに自作の同人誌紹介ページを作り、既に頒布を終えてしばらく経過した本の本文を公開することにした。最近当方を知ってくださり過去の本を見たいという方や、続き物をずっと購読してくださっていたものの、生活環境が変わり最後の方を手に出来ず、終売となってしまったという方もおられるようで、そういった方にも見ていただきたいもののさすがに再版や製本も正直当方の負担になるのと、他の購入してくださった方の手前若干二の足を踏んでいた。この度サイトを作ることになり、それならそこで公開して見ていただくのが手っ取り早い(ページ作りの手間は一度作れば他の方も閲覧が可能になることを考えると、さほど負担ではない)と、公開に踏み切った。あと本誌内容の情報的価値も年を経て薄くなりつつあるというのも公開理由の一つである。商業誌ではなく同人誌なので、自分の趣味をふわっとゆるくでも広報する目的もあるため、そんな活動の一環でもある。言うまでもなく、イベントや通販でチェックまでして購入してくださる方々は本当に有り難い存在であり、いつも感謝は絶えない。ありがとうございます。
自分の趣味とは言ったものの、発行した本を振り返ってみると廃墟だの遺産だの、また車中泊だのとどれもアンダーグラウンドやグレーゾーンみたいなものが多く、だからこそ同人誌として発行出来る面白さもあるものの、そのような趣味人口も増えてくると念のためと注意書きもしておかねばと気をつけることが増えた。それらはマナー的なものやあくまでも自己の責任で行動することなど……ただ最近は一々記す必要があるのか、そんなものは自分の感覚では常識の範囲であり、しかもほぼ成人を占めるであろう読者に対して自分ごときが今更……とは思うものの、世間には自分の常識を超える感覚を持つ人も存在し、そして人口も増えればどんなに気を配り注意して行動しても、傍から見れば迷惑になるというジレンマ。そして痛ましい事故やトラブルも定期的に起こってしまう。それを気にするなら拡散力となりうる同人活動はおろかSNS投稿も控えるべきなのはごもっともなのだが、自分自身がネット上で様々な情報に触れることが出来、そして産業遺産というジャンルを知れたのも諸先輩方がサイトやBlogに公開してくれたおかげである。当時はプライベートで色々あり閉塞していた時期だったが、廃墟趣味からそういう世界があると知って自分も行動的になり俄然日常の生活が楽しくなった。自分もこの楽しい(ばかりではないが)趣味の世界を知ってもらいたく、SNSや同人活動という形で宣伝しているようなものである。しかし、広く知ってもらいたいのとは裏腹に、他方に迷惑になるような屈折した広まり方はしないで欲しいという気持ちもある。まるでインバウンドで一喜一憂する観光地のようである。根は一緒だ。
そもそも、かくいう私自身が諸先輩方からそう思われているのでは、という意識もあるため、そのような自戒の念をずっと抱き続けながら行動している。注意書きはそんな自分に対しての戒めでもあると思っているが、記すたびに胃の腑が痛むので、正直そろそろ書くのをやめたい。注意などしなくてもわかってもらえる方が大多数だと信じているが、わかってくれ。