先日ニュースサイトで、看護師の方いわく「太っている人は痩せてください。なぜなら入院中に体の向きを変える時に大変な力が要るので、下手をすると看護師も腰を痛めてしまうから」という趣旨の記事を見た。太っている本人はそれで体を壊しても自己責任だから〜と思っているかもしれないが、いざ入院となった時にそのせいで看護をする人の側も健康を害してしまうという、正に他人にも迷惑が及んでしまうという話だった。老後の介護にも当てはまりそうだが、私自身も歳を重ねるごとに運動量がなかなか追いつかず、また婦人科の手術を受けたため太りやすい体質になっているので、気をつけなければなと自省しつつ読んだ。体の向きを変えるのは、床ずれ(褥瘡)を防ぐためというのが大きい。大きな手術後や寝たきり患者の場合、ある程度体の向きを常に変えないと背中や腰の皮膚が圧迫されたり擦れるなどして炎症を起こすと壊死にまで発展することもあり、それが命取りになりかねない。私自身も以前に長期の入院を経験した時、看護師の方は床ずれには特に注意を払ってくれていた。おかげでそのような症状にはならずに済んだ。
そのニュースを見ながら思い出したのは、漫画『ぼのぼの』に出てきたぼのぼのとアライグマくんの会話である。『ぼのぼの』は今更ながら原作を読み始めてハマったのだが、動物たちの単純な日常を描きながらもハッとさせられるセリフや行動が散りばめられている。原作19巻に出てくるその会話は、ぼのぼのが「なぜ太るのはきらわれるのかなー」と問うたところ、アライグマくんが「そりゃあおまえ、ヘンだからだよ」「そうか、重いからじゃないのか」というやり取りのあと、ツッコミを入れるアライグマくんに重い石を持たせようとして「どおお?好き?」とぼのぼのが迫り「…きらいだよ」と折れるアライグマくんのシーンが可笑しみがあるのだけど、アライグマくんの「ヘンだからだよ」はルッキズムの側面からの答えであり、ぼのぼのの「重いから」は先のようなリアリティの側面から答えている(ぼのぼの自身にそんな重いもとい思いはないにしても)。自分も反射的にぼのぼのに突っ込むアライグマくんになりそうになるのだが、いや、そんな場面もあるか…?と思い直すも、先の記事を見てああ、これだ!と、妙に納得してしまった。
ちなみにこのストーリーの最後の方では、アライグマくんいわく「いいことをやっても、悪いことをやっても、泳いでいても悲しんでいても太っているヤツというのがずーっとつきまとうんだ」。なかなか表現しづらそうなことをハッキリ言ってくれている。さあ、節制と運動をしようか。
