野生のラッコに会いに

yurutan
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以前下記の記事の中で、ラッコの話を書き、野生のラッコを見に行くつもりは当面無いという話をしたが、

先日、仕事の連休をもらっていたので何処かに行こうとしていたものの、行きたい場所があまり思い当たらずにいた。現在煙突の解体が行われている鴻之舞鉱山も候補に入れてはいたのだが、なんとなく寂しい結果に終わりそうなので、ではいっそこの機会に野生のラッコが見れる霧多布岬に行こうと決めた。行くなら、見物は肉眼では厳しそうな上、カメラは自分の所持しているPENTAX一眼標準ズームレンズでもとても役立ちそうになく、かといってこのためだけに望遠レンズを購入するつもりもないので、カメラと双眼鏡を早めにレンタル申し込みして退路(?)を断った。

上の記事では「近郊まで行くことがあったら立ち寄る」的に書いていたが、ラッコの姿をきちんと捉えたいなら相応の準備が必要なため、ふらっと行って撮影してこれるというシロモノではなかった。

色々なサイトを見させてもらったが、こちらのデイリーポータルZの記事がラッコそのものの説明もあり親切だったので主に参考にさせてもらった。記事と同じくNIKON COOLPIX P950 を、双眼鏡も同時にレンタルすべくこちらはBushnell レガシー10 を選んでみた。双眼鏡なら8〜10倍の倍率が必要らしいので、ならばと10倍にしてみた次第。ちなみにレンタルはレンティオで、3泊4日で利用させてもらった。出先のコンビニからでも発送返却出来たので大変便利だった。

結果としては、霧多布という地名を裏切らず、滞在した2日間はずっと霧の深い天候だったが、2日目の帰り際に岬の遊歩道を歩き、諦めムードになったその時にやっと遠くに浮かぶ岩礁のような昆布のようなものをラッコと認め、2頭の姿を見ることが出来た。実際にはもっと頭数はいるようだが、私が見れたのはこの2頭だけだった。

少し霧が晴れた合間に見れたので、辺りは白っぽく鮮明ではなかったものの、プカプカとゆったり浮かぶ野生のラッコの姿は可愛らしく微笑ましいものだった。飼育下のラッコとはまた違う可愛さがある。その時はカメラだけ持っていたので、車に置いてきた双眼鏡を駐車場まで取りに行き、急いで戻ってもまだ見える位置にいたのでそちらでも覗いたら、カメラの2000mmズームのファインダーの方が比較的鮮明に見えたので、結果的にはカメラだけでも良かったが、何事も経験というところだろう。欲を言えばもう少し近くにいてくれたら…なのだが、野生動物は、ヒトとはこれくらいの距離が保たれているのがよいだろう。遊歩道からはみ出すこと(断崖絶壁なのでそもそも危険)と、ラッコのストレスになるのでドローン撮影は禁止だ。

帰宅後、撮れた写真をPCに取り込んでみたところ、やはり驚きの白さだったので、レタッチしてマストドンにアップしてみた。リアクションを沢山いただきありがとうございます。

レタッチ前の元写真はこちら↓

泣きたくなりますね! ファインダーではもっとちゃんと見えていたつもりだったものの、これではネッシーではないか。レタッチも頑張った…あれ以上に綺麗に出来るのかはわからない…。野生のラッコ観察録もしくは、借りた機材の備忘録としてもここに残しておくことにする。次行くことがあれば、その頃にはもっと増えていることを祈っている。そしてまた生き生きとした可愛い姿を見たいものである。

ちなみに、このあたりの霧多布湿原も散策したり、湿原センター(カフェもある)にも立ち寄ったが、霧の景色や生息している草花も美しかったり、環境保全の取り組みも懸命にされていたりと、見どころは他にもあるので、行かれることがあればぜひラッコのみならずご覧いただきたい。

@yurutan
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