爪の話

ユーリ
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去年の10月から、ジェルネイルをサロンでしてもらっている。

直接のきっかけは親しい友達からの紹介なのだけど、元々ネイルには憧れが人一倍あった。私は幼い頃授業中に暇を持て余しては色んな内職をしていた。その一つが『爪を噛む』ことだった。白い部分を噛み切るところから始まり、爪の脇や根元の皮膚を剥き、シャーペンやカッターを使ってまでささくれを深追いした。当然爪はめちゃくちゃで、一枚丸ごと剥がしてしまったことさえあった(しかもただでは起きず、その指と爪の再生日記をつけていた。とんだサイコパスである)。その癖は社会人になっても抜けず、常に指のどこかは絆創膏を貼っているような状態で、オシャレなサロンでネイルどころかセルフでも傷口に沁みるためネイルは殆どしたことがなかった。ずっと、手先を人の目から隠すようになってしまった。それでもその癖は治せなかった。

それを変えたのが、コロナだ。

基本的に家以外でのマスクが強制され、さすがの私もマスクを外してまで爪を噛むことは殆ど無くなった。たまにささくれを毟ることはあっても、傷つける機会は激減した。それが、一年、二年と続いたのだ。いつの間にか、指先は綺麗とまでは言わないが人並みの見た目になっていた。そのことに気づいたとき、とてもとても嬉しかったし、マスクが緩和されていってももはや昔のようにひどく噛むようなことは無くなった。

一時期病気で会社を休み、復職してからやりたいことやろう!と思い、会社で禁止されてないし実際やってる方もいたので念願のネイルサロンに行ってみた。初回はシンプルなピンクワンカラーだったが、毎日キラキラの爪を眺めるのが楽しくて、とても気分が明るくなったのを今でも覚えている。

今では色は地味目だがラメだのマグネットだのキラキラさせ放題だ。職場にはもっと派手な人もいるし。へへへ。今度推しのライブ行くからそのときはイメージカラーにしてもらお。

そして毎日楽しい以外にもよかったのは、爪や指先をより大事にするようになったことだ。そこそこのお値段をかけているという意識もあって、オイルやハンドクリームをつけたり、爪でカリカリ引っかけたりしなくなった。ネイリストさんにも、最初よりすごく形綺麗になりましたよ、と言われて嬉しかった。確かに横長丸っこかったのが少しスラッとしてきた!

もう一生爪はコンプレックスなんだろうな、と思っていたけれど、マスクのおかげでこんなにも楽しくなれるとは思わなかった。人生色んなことがあるな~!!たのし~~~!!次回はマグネットキラキラにします!!!

今は今までで一番派手なサクラだよ!!

@yury_cso
好きなことを好きなだけ。