本当に最高でした……。恋愛、友情、家族、愛情、憎悪。どれでもないけど全てでもある二人の関係性を描いた作品に「ソウルメイト」とタイトルがつけられていること、感動する。
ハウンのお母さんの言っていたように、人それぞれの人生がある。真逆の性質を持って真逆の道を歩む二人の人生が交差して、影響しあって、相手を好いて、嫌って、それでも相手は唯一の存在で、というところに「ソウルメイト」と名づけるのはあまりにもセンスが良い。
過去回想がたまに真実でないものが入り混じるので、わかりにくいところもあったけれど、ミソとハウンの関係性の描かれ方が素晴らしかったので全てOKです。
感動したところ、たくさんある。その中でも精神的にまいってしまったミソがジヌと同居しているとハウンにバレて、口論になるところ。あそこ凄く良かった。
「あんたを一番愛しているのは誰かわかる?母親でも、ジヌでも誰でもない。私よ」みたいなことをハウンが言うシーン。ここ本当に本当に良かった。別にロマンチックなシーンではなくて、自分の恋人と浮気まがいのことをしているミソを責め立てるシーンで言っているのが本当に良い。
今までのミソとジヌに対する不信感も、全てミソが大切だから我慢してきたことなんだ。それくらいにミソが大切なんだ。あなたの自己愛よりも私の方があなたを思っているんだ。なんて傲慢で、身勝手で、純粋で、愛しい感情。私はこういった人間が大好き。
序盤にあるピアスのプレゼントシーンも良かった。プレゼントしたピアス半分こだけでもやばいのにそのピアスはハウンの名前を模ったものなのがね〜〜……。ハウンは髪をまとめたり耳にかけることが多いからピアスがよく見えるけど、ミソはあまり見えないところもかなり好きポイントだった。ミソがハーフアップとかで耳が見えるようなヘアスタイルになっていくことも、凄く良い。
ハウンがプレゼントしたミソを模ったピアスも、空港での話ではなく、あの時初めて知ったと言うことであっているよね?
ハウンが絵を描く理由、相手への気持ちがわかるからだと言っていた。実の母親や恋人など、どんな大切なものよりもミソが大きく描かれていたこと、意味がありすぎる……好意も嫌悪も憧れも嫉妬もたくさんあるんだ。
そんな作品を半分はミソが描いていることもヤバい。太陽は影があってこそ成り立つ(ここうろ覚え)じゃ〜ん……。二人は本当に対なんだ。ミソはハウンであり、ハウンはミソであり、お互いはお互いになれないんだ。なんて愛しい。
ミソがソウルへ行って生活がうまくいかないこと、ハウンが島へ残り順風満帆に思える生活を送ること。ミソが良き同居人と出会い安定した人生を歩む中でハウンが自己に悩むこと。こんなにも切なく愛しいすれ違い、ないよ。価値観が似ているって似た境遇でいることがかなり左右する。二人は一度大きなすれ違いをしてしまう。それでも二人はソウルメイトだから、どれだけ憎んだとしても、どれだけ好いていたとしても、思い出してしまうのはただ一人なんだ。もう最高だ。
ハウンが子供にミソと名付けようと言ったこと、実際ミソはハウンと名付けたこと。現実では個人的に子供に誰かの名前をつけることはあまり好ましく思っていないんだけど、二人で一つを色濃く描いていて良かった。
何度でも言ってしまうけど、二人がどうしようもないほどに離れられないこと、それが凄く良かった。そしてその映画のタイトルがソウルメイトであること。何よりも美しい。最高。ありがとう。正直映画館で観るべきか迷っていたけれど、観て良かったなーって思う。