お別れの時の話
シャニマスのイベコミュの作中劇。貧しい五人姉妹の長女が、妹達とこのままでは売りに出さなければいけない家を守るために、お金持ちの人へ嫁ぐことを決意する。離れ離れになることを寂しがる妹達と母親との約束を胸に嫁ぐことを決意する長女はすれ違う。それでも最後は全員が寂しいという気持ちを分かち合い、全員で出稼ぎに行き家と家族を守ろうと、また未来で会おうと約束するお話。
寂しさを分かち合うとか、未来でまた会おうとか、お話の作りはかなり王道でシンプルなものだと思う。
そんな中で、一人家に残る長女を置いていかれてしまう存在だと描かれなかったことが凄く凄くいいなと思った。
長女は元々職についていて、尚且つ母親との約束である「家を守ること」を大切にしている。だから彼女はここに残る。一方で、田舎で仕事も多くないことから妹達は外へ出て行く。
残る人と旅立つ人が描かれているけれど、どちらも未来のために、自分の決断のもと進んでいく人たちで、おいて行く置いていかれるという差が無くフラットな関係で描かれているのが凄く良かった。
別ジャンルの話になるけど、ワンダショのえむちゃんがフェニランに残ることについてもこういう解釈でいたい。
彼女が形式上「フェニランに残る」となったとしてもそれは彼女にとっての未来で、選択したことで、決して「置いていかれる」なんてことではない。みんなの背中を見送るけれど、それと同時に彼女だって前に進んでいく。
ワンダショに永遠はあまり望んでいない。永遠がないことを知っていて「またね」や「もう一回」ができる人たちだから。だからユニットにはいずれ終わりが来て欲しいし、それでもまたいつかの未来でときどき交わる時が来たらいいなって思う。